内容説明
一九九九年三月六日、大陸との玄関口となって長い歴史をもつ九州の福岡にアジアの近現代美術を専門とする福岡アジア美術館が誕生した。これは福岡市美術館が一九七九年の開館以来、開催してきた「アジア美術展」や「アジア現代作家シリーズ」などの蓄積を新たな独立したスペースで開花させたもので、この種の美術館としては日本で唯一であり、世界でも類を見ない画期的でユニークな存在となっている。福岡アジア美術館では、その豊富なコレクションの常設展示とともに三年に一回のアジア現代美術展である「福岡トリエンナーレ」をはじめとする企画展の開催、アーティストや研究者などの交流、ワークショップ、シンポジウムなどさまざまな活動が展開されている。本書では福岡アジア美術館の活動を紹介し、そのコレクションを中心にアジアの近現代美術を概観する。
目次
図版構成 アジア各国・地域のアートシーン―拡大するアジアの現代美術
福岡トリエンナーレ
交流事業とレジデンス
アジアの近代美術―美術運動と作家たち
テキスト 黎明のなかの洋画―中国・台湾・韓国の近代
図版構成 近代「美術」の忘れもの―街にあふれるアート+歴史に消えた大衆美術etc.
テキスト 再録・アジア美術への視点
資料篇 アジア美術館の誕生―アジア・コレクションとアジア美術展の20年
福岡アジア美術館・開館後のおもな展覧会
鼎談 アジア美術館ができるまで