内容説明
本書では、第一部で、今日の美術の一般状況の批判と肯定的地平の希求を、第二部で、具体的な論証として作家や作品や表現の方法などを検討、第三部で、近代世界観史の反省と模索を通して新しい芸術観の基点を探索した。一貫して知覚を不能にする対象主義の物象化状況を批判し、観ることを可能にする“構造”をさぐりつつ、世界を出会いの場所に開示している。
目次
観念崇拝と表現の危機―オブジェ思想の正体と行方
出会いを求めて
認識から知覚へ―高松次郎論
存在と無を越えて―関根伸夫論
デカルトと過程の宿命
出会いの現象学序説―新しい芸術論の基準のために