内容説明
イコノロジー研究とは、ひとことでいえば美術作品の意味の探求だといえよう。つまり美術作品を、ある時代の人間精神の一般的本質的な傾向がそこに表われているある種の徴候として、とらえようとする研究態度である。こうした新しい視点をもって美術史を一つの解釈の学として基礎づけようとしたのが本書である。
目次
ピエロ・ディ・コジモの二つの絵画群における人間の初期の歴史
時の翁
盲目のクピド
フィレンツェと北イタリアにおける新プラトン主義運動(バンディネリとティツィアーノ)
新プラトン主義運動とミケランジェロ
追録 カサ・ブオナッロティの粘土原型