評論社文庫
新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784566023703
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―旧版の訳をさらに推敲、より充実して読みやすく美しい、待望の「新版」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

418
読了の達成感はなかなかに大きなものがある。物語が描き出す世界観の大きさでは、数あるファンタジー文学の中でも屈指のものだろう。単純に長いということもあるが、もちろんそれだけではない。この物語は、ここに描かれた世界だけではなく、その背後に直接は描かれなかった時間的、歴史的蓄積、あるいは神話伝承をも内包しているからである。個に始まって、壮大な展開を終え、再び個に還るという構成も見事だ。歴史的事象の中にあっても個が生き生きと尊重されることは、これまたいかにもイギリスらしい物語であった。 2019/05/06

藤月はな(灯れ松明の火)

106
指輪放棄の旅はページ数が少ないために一見、あっさり、済んだ感じですが火山口に行くまでの道行が辛かった・・・。オークの拷問から逃げ出してフロド達が経験した飢え、寒さ、疲労、渇き、負傷、絶望などの描写は想像を絶し、耐えられずに悲鳴が何度も上がりそうになりました。しかし、指輪の誘惑に負けず、遂に倒れたフロドを「貴方の重荷は背負えませんが、貴方は背負えます」と背負い、フロドたちの旅立ちを見届けたサムの愛の深さに落涙。そしてスメルゴア(ゴクリ)と互いに憎み合うようになった蛇の舌とサルマンの最期は哀れだと思ってしまう2017/01/09

みっこ

63
ついに本編終了。終盤、フロドの憔悴っぷりが辛い。。サムが料理道具を手放すシーン、フロドを背負うシーンには泣かされました。苦しい旅が終わり、アラゴルンとの再会シーンにもうるうる。後半は一転、希望に溢れた場面が多い。ファラミアが突如情熱的にエオウィンを口説き出し、ニヤニヤしてしまう。そんなギャップもまた良し。永遠の命を捨てエレスサール王に嫁ぐアルウェンの覚悟と哀しみを思うと切ない。なんて強い女性だろう。旅の終わりは別れを意味する。ギムリの『全員が集まることは二度とふたたびあるまいなあ。』に寂しさを感じます。2015/12/26

南北

62
長い物語をようやく読み終えた。やはり凡百の作品とは違う大作だということが実感できた。ふつうなら指輪を「処分」したところでクライマックスとなるところだが、その先が続くところがすごい。フロドは指輪保持者の役割を終えたが、やはりホビット庄での暮らしを続けることはできなかったのだろう。最後のサムの一言まで中身の詰まった作品だった。ただ固有名詞の和訳は「ゴクリ」を除いて共感できる点が少なかったので、いつの日か新訳が出ることを期待したい。2022/09/09

カフカ

61
長い冒険が終わった。映画は何度か視聴していたのだけど、やはり原作はその何倍も濃厚。 今までファンタジーは何作か読んできたが、これはまさにタイトル通り、“冒険“ファンタジー。最初から目指す場所は決まっていて、ひたすらそこを目指していく。初めは周りの頼りがいのあるメンバーの陰に隠れ頼りなさそうに見えたホビット一行も、途中裏切りや別れなど苦悩を経験し、徐々に強くなっていく。ファンタジーとして驚いたのは、今作最大の敵である、サルマンとサウロンとの直接対決はないのだ。あくまで指輪を破棄することが目的なのである。→2023/11/10

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