内容説明
英国ファンタジーの珠玉の名作「グリーン・ノウ物語」を生んだボストン夫人のすべて。その幼少期、青春、そしてマナーハウス。
目次
第1部 意地っぱりのおばかさん―幼少期・青春期の思い出
第2部 マナーハウスの思い出
著者等紹介
ボストン,ルーシー・M.[ボストン,ルーシーM.][Boston,Lucy M.]
1892年、イングランド北西部のランカシャー州サウスポートに生まれる。サセックス州のダウンズ寄宿学校を経て、オックスフォード大学サマヴィル学寮に入学。1914年に退学し、ロンドンの聖トマス病院で看護婦の訓練を受ける。1917年、ハロルド・ボストンと結婚、一男をもうけるが、1935年に離婚。その2年後にヘミングフォード・グレイにある12世紀に建てられた領主館(マナー)を購入し、2年かけて修復。以来そこに住みつづけ、庭園造りやパッチワークに精力的に携わりつつ、60歳を過ぎてから創作を発表する。1962年、『グリーン・ノウのお客さま』でカーネギー賞を受賞している。1990年没
立花美乃里[タチバナミノリ]
1939年、広島県呉市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。出版社勤務を経て、日本女子大学非常勤講師
三保みずえ[ミホミズエ]
1940年、中国・ハルビン生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、跡見学園短大、成蹊大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yoko
4
たった一冊読んだだけの作家の、この分厚い自伝を興味を持って読めるかしらと思ったけれど、そんな心配いりませんでした。前半は幼少期から結婚までで、家族や関係のある人達を生き生きと描いていて、私はこの前半を特に面白く読みました。昔のことなので現代から見ると衝撃的な事実も多くて、面白い一例としては、暑い日は家族皆で外の芝生で寝たとか(なんで?!)。後半は第二次世界大戦中のマナーハウスでのことや、庭造りのこと、執筆について等です。自分の信じるままに行動し、多くの人と出会い楽しみ慕われて、素晴らしい人生だと思います。2014/09/13
アルクシ・ガイ
3
前半のみ。読みながらしきりとアガサ・クリスティーの自伝と比較してしまった。年代もほぼ同じだし。クリスティーのように「私は本当に幸福な子供だった」と回顧できる人間は非常に稀なのだと、あらためて思い知った。2018/09/10
旭
3
いや良かった。時間があれば原文で読みたい。第一次、二次大戦期の英国の一断面としても興味深く読みました。白眉は、戦場に出る兵士達を自分のマナーハウスに招いて夜ごとに開く音楽会のくだり。青年達への哀惜と愛情が溢れ、胸を打ちます。ああ、こういう人だからこそグリーン・ノウシリーズを書けたのだと納得する。そして、イギリスのお屋敷にはやはり幽霊がいるのです。時を超えてね。2011/10/28
あおい
2
図書館本。りんぼうさんの著書でマナーハウスのルーシーさんを知り、読んでみた。立派でヘビーウエイト、生い立ちとマナーハウスとの出会いとその後の二部構成でかなりの読みでがある。児童書の大御所ルーシーさん著作、グリーン・ノウシリーズも故人を偲びつつ読んでみたい2019/04/28
timeturner
2
独立心旺盛な生き方に圧倒された。2011/08/02