内容説明
保全生態学は生物多様性の保全と健全な生態系の持続を担う新しい生態学である。本書は都市の空き地や水田、里山など身近な自然を詳しく観察することをとおして、生態系の微妙な仕組みを最新の知見をふまえてわかりやすく解説し、ならびに「保全されるべき生物多様性はなにか」「生態系の健全性とはなにか」というそもそもの基本的な問題を開示した入門書である。環境保全にまつわる話題が多くの人々の耳目をあつめる大きな関心事となっている今、より科学的、より理知的な視点から自然を見る力を養うために好適な一冊であろう。
目次
第1部 人間活動と生物の多様性(動物からみた身近な自然;都市植生の多様性と帰化植物;里山と谷津田の生物多様性 ほか)
第2部 生きものの多様性を左右する立地環境(立地環境を棲み分けるトンボ;土壌が支える生物多様性;水田の土壌環境と微生物相)
第3部 生物多様性を自分で観察する知恵(生物多様性を自分で観察する知恵;生物群ごとの基本的な多様性調査法)
著者等紹介
根本正之[ネモトマサユキ]
1972年千葉大学理学部生物学科卒業。1978年東北大学大学院農学研究科農学専攻博士課程修了(農学博士)。1988年農林水産省農業環境技術研究所環境生物部植生管理科保全植生研究室長。現在、東京農業大学地域環境科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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