出版社内容情報
意識のミステリーを探求する上で、まだ正しい答えは見つかっていない。本書では、意識にかかわる諸問題について哲学・心理学・神経科学の立場から提唱されているそれぞれの理論を、ていねいに紹介・解説していく。
内容説明
本書は、哲学・心理学・脳科学が交差する領域に新しく誕生しつつある「意識科学」の現在の姿を体系的に提示した書である。心の状態と脳の物理的状態がどのようにかかわっているのかについて、神経科学理論や心の表象理論を軸に、理論的・経験主義的・神経科学的な側面をバランスよく論じている。前半は主として志向性とクオリアの問題を扱い、後半では表象がどのように心で組織化されて志向性の源になっていくのかを検討する。
目次
第1部 心と脳について考える(哲学的アプローチ;心身問題の歴史;神経科学の哲学)
第2部 機能と脳(ホムンクルス機能主義―機能主義の進展1;目的論的機能主義―機能主義の進展2;表象と心的内容の物質的根拠;意識的表象と無意識的表象;脳のダイナミクス、注意そして運動;記憶と知覚;視覚経験は、いつ、どこで生じるのか?;意識の多元的タイプ;結論)
著者等紹介
苧阪直行[オサカナオユキ]
1976年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授、京都大学大学院文学研究科長・文学部長、日本学術会議第一部会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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