内容説明
艦砲が発達して巨砲となり、後進工業国の日本の艦隊がイギリスやアメリカの艦隊を遥かに追い越した経過を解説し、日本海軍の発揮されなかった砲戦実力を紹介する。
目次
砲術を愛した使徒
砲戦術の名人ネルソン
モニターとメリマックの戦闘
いざや沈めん定遠を
日清戦争で威力を発揮した速射砲
豊島沖の海戦
日清戦争の黄海海戦の砲術
日露戦争と砲術
日露戦争は艦砲が勝利を決定した
近代式射撃術はイギリス海軍が開発した
大正初期における戦艦の砲術
海戦の戦訓も馬耳東風
砲術の父パーシー・スコット海将により方位盤が発明された
第2次大戦前夜のわが砲戦実践力
日本海軍の砲戦術
空海将砲力を知らず、戦艦大和、武蔵を無用の長物となす
砲将東郷平八郎を愛す
著者等紹介
黛治夫[マユズミハルオ]
明治32年(1899年)10月2日群馬県富岡町に生れる。大正5年(1916年)8月海軍生徒。海軍兵学校(第47期)、海軍砲術学校高等科学生、海軍大学校甲種学生卒業。戦艦長門、伊勢測的長、戦艦日向副砲長、海軍砲術学校教官5回、陸軍重砲兵学校教官2回、米国駐在、海軍省軍務局勤務、第4根拠地隊参謀、重巡古鷹副長、戦艦大和副長(兼初代砲術長職務執行)、北支艦隊参謀、飛行艇母艦秋津洲艦長、横須賀海軍砲術学校教頭、重巡利根艦長、横須賀鎮守府参謀副長、海軍化兵戦部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
4
著者である黛氏は、砲術の大家であるのみならず、戦う海軍とは何か、戦争をするために我々は何を成すべきなのかを真面目に考え、立案し、行動した人です。戦艦「大和」初代副長、水上機母艦「秋津洲」艦長、重巡「利根」艦長などを歴任した、第一戦で戦った軍人。大砲を撃ち、軍艦を動かすとはこう言うことかということが学べます。一朝事ある時、こういう軍人がいればなんとかなるだろうなという心温まる思いと共に、現代の視点ではもう論ずる価値のない旧弊な軍事論に落胆。しかし読んで損はないと思いますよ、この本。2005/03/01
Tatsu
0
この人あまり好きではないんですが・・航空主兵でなく艦砲主体で対米戦を実行したら勝利していたとの主張ですが・・・・相手が応じず、航空機で対応されたらどうするんでしょうね・・硬直した思い込みと、戦には相手があり、その動きはこちらの都合通りにはならないことを遂に最後までわからなかった軍人かなと考えます。2012/10/27
crow_henmi
0
砲術専門家による海軍砲術の歴史と実際についての明快な解説書。2009/09/03