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出版社内容情報
歴史を変えるほどの大自然災害に、人々はどう向き合って克服してきたのか。なにを教訓として後世に伝えてきたのか。古代から「東日本大震災」までを地震学・地球物理学者がわかりやすくひもといていく。
内容説明
東日本大震災の被災地を何度も訪れ、調査を今も続けている気鋭の地震学者による「次のための一冊」。
目次
アメリカからロサンゼルスがなくなる日
天から降り注いだ硫黄と火の粉
死者を葬り生存者に食べものを
最大の惨事
記憶に残らないこと
「震源」を探して
堤防が決壊するとき
天の不調和
国境なき災害
失敗の検証
災いを招く
不運の列島
計画的な防災・減災
著者等紹介
ジョーンズ,ルーシー[ジョーンズ,ルーシー] [Jones,Lucy]
地震学者。33年にわたり米地質調査所の研究員を務め、近年はリスク軽減のためのサイエンスアドバイザーとして活動。カリフォルニア工科大学助教。ブラウン大学で中国語・文学の学士号、マサチューセッツ工科大学で地球物理学の博士号を取得。カリフォルニア州南部在住
大槻敦子[オオツキアツコ]
慶應義塾大学卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Homo Rudolfensis
24
☆3.8 ポンペイは歴史を変えた自然災害なのでしょうか?近世以前の自然災害がポンペイとリスボン地震のみと、圧倒的に近代に偏っており、チョイスに疑問があります。また、21世紀の自然災害もそれなりに取り上げられていますが、それはもはや現代で、「歴史を変えた」かどうか判別するのはさすがに時期尚早では?とも思いました。タイトルは風呂敷を広げすぎで、本書の内容を捉えているのか微妙ですが、個々の自然災害の分析自体はそれなりに面白いです。題材が多く、一つ一つの内容は薄まっている感はありますが。2022/04/09
つーちゃん
6
歴史✖️科学者みたいな本、大好き。特に興味を持ったのは、最悪の人権二次災害について。関東大震災の朝鮮人虐殺やミシシッピ川氾濫の有色人種迫害等は、決して許されないけれど、古い時代だから有り得そうだなと。しかし、ハリケーン・カトリーナや東日本大震災は記憶に新しいのに、人種や性別のせいで酷い思いをした人達がいたとは。科学も理性も秩序も発達したはずなのに、まだこんなことがあるのかと、絶望感があった。最後は希望的観測で締め括られるが、実際にあったその出来事を忘れてはいけない。2021/07/16
kuppy
5
地震学、河川工学、地球物理学の権威である著者による、ポンペイから東日本大震災まで地震、洪水、ハリケーン、火山噴火(多くは複合的に絡まっている)に対し克服しようとする人間とそれを上回る災害、ほとんどが政府の対策、対応のまずさ、スケープゴートにされるマイノリティーの悲哀が伴う。地震予知というのは基本的には不可能なのだろう、統計論からも週刊誌を賑わす地震予言者たちの警告は眉唾ものだ。ミシシッピ川の洪水など米国の人達であっても忘却してしまう災害があったりと人間の思い込み、記憶の曖昧さも災害に対する大きな敵である。2022/01/30
AR読書記録
4
災害はやはり避け続けることはできないので、その被害を少しでも減らすには、また少しでも早く立ち直るには、どうすればよいのか。それには災害を知ることと、人間を知ることの両方からのアプローチが必要。特に人間は、えてして自分の都合のよいように考え、危険から目を背けたり、逆に危険をでっち上げたりして、さらに被害を広げてしまうことがある。しかし復興への知恵と推進力を持つのもまた人間であり、史上の大災害と復興の歴史を通観し、一人ひとりの対応力を高めていこう、という内容。こういうものを書ける研究者は貴重な存在だなぁ。2021/06/12
takao
3
ふむ2021/04/13