出版社内容情報
島田荘司選 第3回福山ミステリー文学新人賞受賞作!鬼畜の家に生まれ、唯一生き残った少女が話す驚天事実。「お父さんはお母さんが殺しました。おねえさんはお母さんが殺しました。わたしはお母さんに殺されるところでした……」
内容説明
「おとうさんはおかあさんが殺しました。おねえさんもおかあさんが殺しました。おにいさんはおかあさんと死にました。わたしはおかあさんに殺されるところでした…」保険金目当てで家族に手をかけてゆく母親。その母親も自動車もろとも夜の海に沈み、末娘だけが生き残ることになった。母親による巧妙な殺人計画、娘への殺人教唆、資産の収奪…信じがたい「鬼畜の家」の実体が、娘の口から明らかにされてゆく。第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
著者等紹介
深木章子[ミキアキコ]
1947年生まれ。東京都出身。東京大学法部卒。1973年から東京弁護士会所属弁護士として活動後、60歳を機にリタイア、執筆活動を開始する。2010年、『鬼畜の家』で第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
175
文庫で読んでまんまと騙されたのはつい最近のことながらそれを踏まえて再読してみた。それでも十分に面白かったが、さすがにあの時と同じ衝撃は味わえないね。2015/04/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
130
確かに鬼畜の家だねってくらいドロドロしているが、ミステリとしては上手いと思わせる作品だった。2014/06/14
ちはや@灯れ松明の火
121
人に非ずと、感情が共感を拒絶し、理性が理解を否定する。ただ不遜な好奇心だけが、鬼畜の棲まう深淵を覗き込むよう唆す。正気という命綱を握り締めて。或る医師の死、凍てついた家庭、転がり込んだ保険金、哀惜など入り込む隙間もなく。昏い水面に誰かが映る。妻が、養父が、母が、兄が。ただ一人取り遺された娘、人の死を金銭へと変える錬金術、愛の名を騙るエゴと執着。夫を、娘を、息子を、妹を。澱みの底に漂う不快な動詞が各々を結びつけていく。覗き込んだ淵は鬼畜の棲処ではなく人間の裡。水鏡の向こう、闇を湛えて、見知った貌が嗤った。 2012/10/26
いつでも母さん
112
装丁に惹かれて・・どこかで読んだ感じも有りだなぁと思いながら、お初の作家さんだし・・「あたしの家は鬼畜の家でした」はインパクトあるなぁ・・で一気に読了。まさかそうだったか!の感想。探偵・榊原さんって凄いね。この作家さんも60才からの執筆活動ってすごくないですか~もう少し別の作品も読んでみたいと思った。2015/04/16
Yuna Ioki☆
81
1243-446-37 ☆ハロウィンフェス☆No.1 深木章子作品初読み。鬼畜度は思ったより低かったかもしれないけど、やはり生きてる人間が1番恐いわ(¯―¯٥)ルポ形式はちょっと苦手かも。2015/10/17