内容説明
ぼくの叔父が集団自殺をした。閉め切ったワゴン車で練炭を使ったのだという。ところが叔母は「自殺に見せかけて誰かが殺したんだ」といってきかない。こうしてぼくは叔母に命じられ叔父の死の「真相」を探ることになったのだ。ぼくは遺族として他の自殺者の家族と会ううち、この集団自殺を以前から追いかけていたジャーナリストがいたことを知り、そして、ぼくはなにものかに監視されていることに気づいた。やはりたんなる「集団自殺」ではなかったのか?ぼくは狙われているのか?集団自殺事件をめぐる「真相」と「犯人」。読者の間隙を突く折原マジックの真骨頂。
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
1951年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者に。88年に『五つの棺』でデビュー。95年には『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞受賞。本格ミステリーからホラーサスペンスまで幅広いジャンルで活躍、「折原マジック」ともいわれる独特の凝った仕掛けで高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
51
「叔父殺人事件」というサブタイトルで、叔父が自殺ではなく殺害されたのだということはすでに分かってしまっている。ならば、集団自殺そのものが、仕組まれた大量殺人だったのか。集団自殺ということ自体がかなり不穏なのに、それが殺人事件かもしれないという気味の悪さ。誰だかわからない人物のモノローグも挟まれて、不穏さを増している。とはいえ、話そのものは、そんなに面白いとは思えなかった。初読みの作家さんだが、別の作家が書いたらもっと面白くなったのでは?と思ってしまった。2023/03/01
雪紫
46
集団自殺事件で亡くなった叔父は実は他殺か? 自殺前の集団自殺者を取材したルポライターの視点もあるためこんがらがるものの意外とスピーディーに読み進められ、ある意味意外なここまでするか。の嵐に。そりゃこの人叙述の折原と呼ばれる訳だわ。と妙な納得感。2021/01/22
らー
15
最初はややとっつきにくかったけど、後半は自分も事件の真相が知りたくて、先を急いで読みました。途中、違和感があった部分は想像通りでしたが、他はまんまとしてやられました。私のように深読みせず、単純に楽しむことをお勧めします。2015/01/12
そのぼん
7
途中で違和感を感じながら読んでいましたが、こういうオチですか。すっかり騙されました。 ただ手法が複雑すぎてちょっとふにおちない気分に…。やっぱり自分は単純だと再確認しました(笑)。2011/08/02
みかりん
6
集団自殺。ちょっと納得できない部分もありますが、最後 犯人だけじゃなく他の謎も一気に解決して面白かったです。2017/03/20