内容説明
最高の権力をにぎり、謎のベールに包まれた女性、ポンパドゥール侯爵夫人の生涯を、魅力あふれる筆づかいで鮮やかによみがえらせる。18世紀のヨーロッパ、革命前夜のフランスを舞台に、当時の文化と政治を浮き彫りにする。
目次
第1幕 国王の相手にふさわしく
第2幕 デティオール夫人
第3幕 公式の愛妾
第4幕 ヴェルサイユ宮殿
第5幕 戦争、策謀、権力闘争
著者等紹介
クロスランド,マーガレット[クロスランド,マーガレット][Crosland,Margaret]
1950年より作家および翻訳家として活動。イーニド・マクラウド文学賞を受賞したSimone de Beauvoir(Heinemann,1992)や、The Enigma of Giorgio de Chirico(Peter Owen,1999)などがある。初期の作品であるコレットの伝記はブルゴーニュ賞を受賞した
広田明子[ヒロタアキコ]
1958年生まれ。お茶の水女子大学大学院英文学修士課程修了。パリ大学留学。英・仏文翻訳家
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
32
ルイ15世の公式愛妾ポンパドゥール夫人の評伝。嘘かまことか幼い頃に「あなたは国王の愛妾になる」と予言されている。その予言を信じ続けて結婚も習い事もする母娘鷹。彼女の後釜としてやってきたのがマリ―・アントワネットと対立するデュ・バリ―夫人。随分若くして亡くなっているが当時としては普通だったのか。彼女の元から去ったヴォルテールが向かったのはフランスと敵対しているフリードリヒ2世。2017/01/09
おMP夫人
13
平民出身のジャンヌ=アントワネット・ポワソン(ポンパドゥール侯爵夫人)という女性が、生まれ持った美貌と才能を武器に、味方もいるけど敵も多い、野心渦巻くヴェルサイユで国家の運命を握る存在にまでのぼりつめる。といってしまうと少し誤解を生じてしまうかもしれませんが、まるで70年代の少女マンガのような人生が綴られています。伝記なので当然ですが、やや淡白で少し盛り上がりに欠ける点が残念な所。とはいえ、こんな人物が実在したのですからやはり歴史は面白い。個人的には『もうひとつのベルサイユのばら』と呼びたい花の生涯。2012/10/25
ma_non_troppo
2
ナンシー・ミットフォードの著作より冷静に客観的に書かれた本だという印象を受けた。フォントノアの戦いでイギリスに勝利したとき、最愛王が言ったという科白が素敵だった――「敵の流した血といえども人間の血だ。真の栄誉は、人間の血を流さずにつかむものだ」2010/02/04
あめりこ
1
名香先生のロココの冠を読んでからポンパドール夫人に興味が湧いてきたので読んでみました。2012/10/02
おばりん
1
ヴェルサイユ宮殿を見てきて興味を感じて読みはじまたので、もう少し小説ぽいかと思ってしまって勝手に残念。華やかさを感じられる本が読みたいな~2012/06/19