内容説明
理想を求め、理想に殉じた情熱のロマンティストの生涯。待望の普及版。
目次
第1章 メキシコまで(その出生;腕白小僧;最初の放浪 ほか)
第2章 グランマ号(街頭写真屋;フィデル釈放;ゲリラ訓練 ほか)
第3章 奇跡の革命(世界への旅;カストロの辞任;日本への評価 ほか)
第4章 別れの手紙(祖国か死か;工業化への苦闘;正確な予見 ほか)
補章 コンゴの日々
著者等紹介
三好徹[ミヨシトオル]
1931年東京生まれ。旧制横浜高商(横浜国立大学)を卒業後、読売新聞社記者。1967年『風塵地帯』で日本推理作家協会賞、68年には『聖少女』で第58回直木賞を受賞。おもな著書に『興亡と夢』『興亡三国志』『史伝伊藤博文』など
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感想・レビュー
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かるかん
32
『困難な日々は、はるかかなたに過ぎ去ってはいない。経済面でも過ぎ去っていないし、それにもまして、外国の侵略の脅威の面でも過ぎ去ってはいない。本当に、今は困難な日々なのである。が、いまこそ生きるに値いするのだが。』 チェ・ゲバラ、彼は一体何者なのか。 私自身「革命家」であることしか知らず、良い人なのか悪い人なのか、そんなことすら知らなかった。 しかし、これほど理想を追い求め、人々を救おうとした人間はいないと言えるだろう。 彼の誠実さと、仲間を最後まで見捨てないその心意気に感動し、彼を目指した人もいるだろう。2015/02/19
Y田
15
キューバに関わった革命家、以上の事は殆ど知らなかったので一度その生涯を知りたかった。これを読む限りでは、冒険家っていう気質の人だったのかなと感じた。理想に燃える心を持つが「一発撃たずに革命など出来ない」という現実性も持っていたと。又「武力で勝利するだけでは革命は達成されない」として行動する様に、政治経済を分かっていた。そして最後まで「革命家」として生きるのを選んだ人なのかなと。◉多分この人に対する解釈、見方は立場によって変わると思うので、良い悪いの感情は今は持たずに、またぼちぼち勉強で(´ー`)2020/12/10
手押し戦車
14
人生はいつどこで運命を左右するかわからない。貧困の現実を見て政治権力を奪い取り平等社会を実現させる革命を自分の目で見て感銘を受け医師から戦士になり貧困撲滅のために革命を計画し勝ち取る。戦場で傷付いた敵兵も手当し逃がし困った人を見捨てない姿勢、道徳的規範で他人の為に自ら進んで働き最先端で戦う。自己欲求よりも利他欲求を尽くす意識を持つの人の強みを見出した時、現れる。弱みを突くのは自己欲求になり組織が滅びて行く2014/09/08
R
13
もう二度と現れないと思えてしまう純粋な革命家チェ・ゲバラの生涯を紐解いた本でした。キューバ革命につながるゲバラの生き様、生き方についてその足取りを追いながら読めました。きわめて崇高な人物で、二度とこんな人が、政治家として現れることはなかろうと思えてしまう。武力闘争による解放しか願えない絶望的な当時のキューバ、ないしアメリカという暴力者について、様々考えさせられたのでありました。今もって解決していない問題と、アメリカという国を思い出させてくれたように感じる。2016/06/25
和草(にこぐさ)
9
なぜか気になっていたチェ・ゲバラ。仲間や同胞に誠実な彼。これほどまでに彼を革命という闘いに駆り立てものは何なのだろう。2015/06/02