内容説明
仔犬のローヴァーが月や海底をかけめぐり、竜や鯨、魔法使いや月の男とくりひろげる魅力いっぱいの冒険物語。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
67
【戌年に犬の本を】お気に入りの犬のおもちゃをなくしてしょんぼりしている息子のために、トールキンが作ったファンタジー。魔法使いにおもちゃにされてしまった仔犬の冒険は、彼の作品にはおなじみの魔法使いや竜が登場し、トールキンの以後のファンタジーの原点ともいえるが、『ホビット』や『指輪物語』ではあまり出てこない言葉遊びがふんだんに取り入れられていて、マザーグース的なところも感じられる。本当に、イギリス人は言葉遊びが好きだなあ。2018/02/12
月夜乃 海花
17
トールキンってどこかで聞いたことあるなぁと思ったら、まさかのホビットや指輪物語の著者でした。今回のこのお話はホビットや指輪物語が作られる前のものです。この物語は元々トールキンの息子マイケルが犬のおもちゃを無くしてしまい、それを慰めるために即興で創造されたものらしいです。情景描写もきらきらしていて美しいし、何よりも言葉遊びが面白い。この仔犬の物語はある意味、ホビットや指輪物語の原点と言えるかもしれません。トールキンの作品が好きな人やファンタジーが好きな人は読んでみてほしいです。2017/12/19
みけ
14
大好きな犬の玩具を失くした、作者の4歳の子どもの為につくられたというこの物語。子どもを笑わせたいという優しさが随所に感じられる。ドラゴン、魔法使い、月の世界に海底世界。魔法で玩具の犬にされてたローヴァーが冒険の旅に出ます。父親がこんな素敵な物語をつくってくれるなんて。作者本人の挿絵もとてもキレイで素敵でした。2019/01/29
スプリント
8
自分の子供向けにつくったお話がもとになっているのでストーリーは簡単で分かりやすいです。言葉遊びが散りばめられているようなので原書でも読みたいですね。2015/06/26
skellig@topsy-turvy
7
人格形成期(?)にはトールキンは神だった。やっぱり今も好きと再認識。子供向けの物語と言えど、ちりばめられるモチーフや喚起する情景はトールキン・ワールド全開。意地悪な魔法使いや仔犬、竜に人魚と登場キャラクターは多彩で、御伽噺のように淡いと思いきや神話的壮大さを秘めるイメージが横たわっていたり。楽しい、懐かしい読書でした。2013/01/09