内容説明
真夜中にドアがゆっくりと開いた。隙間から室内に滑り込むと、男はすばやくドアを閉じた。うまく見張りの目を盗めたようだ。侵入者は忍び足で王の寝台に近づく。王は雪花石膏製の枕に頭を乗せて、横向きに眠っている。男は衣服の下から重い物体を取り出し、大きく息を吸い込むと、ツタンカーメンの頭めがけて振りおろした。
目次
第1章 王は死ななければならない
第2章 ツタンカーメン以前のエジプト
第3章 ツタンカーメンの祖先―栄光の第18王朝
第4章 アマルナ―聖なる都市
第5章 ツタンカーメンの両親
第6章 テーベヘの帰還
第7章 史上最も有名な墓
第8章 死者は語る―ツタンカーメンのミイラ
第9章 未亡人の懇願
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kitinotomodati
4
これはかなり前に読んだ記憶がある。美術書を見ていると、エジプト王家の人びとの風俗が、古王国時代から新王国時代までほとんど変化していない様に思ったので、エジプト史に興味がわいてきて、再開された図書館から借りてみた。最近は本書に書かれている以上に、鑑定技術が進み、ツタンカーメンの両親も確定出来ているとか。2020/06/16
Cinejazz
1
3300年前のエジプトで、ツタンカーメン王は19歳の若さで亡くなった。著者は殺人事件と断定する。が、現代の大学教授が真犯人を暴き出すことができるのか? 探求心をくすぐって止まない、読んで得する気分になる本です。論理的思考で真犯人に肉薄する面白歴史ミステリーで、読む者を最後まで惹きつけます。2018/01/12
Yumikoit
0
アンクエスエンアメンの墓も見つかったことだし、またいろいろ判ってくるんだろうなぁ。2009/08/25