白水Uブックス
中世のパン

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  • サイズ B40判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560073766
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0222

内容説明

中世末期に、小麦がパン麦としての地位を確立したことから始まり、麦を粉にする過程、パン作りの実際、様々なパンの形態を解説。さらには都市におけるパン屋の成立とパン屋の実態、そしてパンにかかわる人々の生活ぶりを多面的な角度から描くと同時に、「食」という面から中世をとらえている。

目次

第1章 麦畑から粉挽き場へ
第2章 パンづくり
第3章 パン屋の共同体と同職組合
第4章 フランス、パン巡り
第5章 パンの販売場所
第6章 なくてはならない市外からのパン
第7章 自家製パン
第8章 パンの価格 原則と実際
第9章 都市のなかのパン屋
第10章 パン消費の数量的評価の困難

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あなほりふくろう

15
中近世のヨーロッパでもパン屋はパン屋と思いきや、むしろ日本の米問屋のよう。小麦は経済や政治に直結する穀物。日々のパンの大きさ、質がそのまま町の景況として反映され、市民はそれを胃袋で実感させられる。価格安定を図る役人の苦労もあれば、優遇措置を悪用して私欲に走るパン屋もあり。評判も悪くいかさま師扱いされ、暴動の際には真っ先に標的に。小説フランス革命で暴動の最中パン屋が殴られながらパンを焼くシーンがあって、腹が減ってる以上にもっと根深いものがあったのねと納得。市民生活の一端なども垣間見え、興味深い本であった。2013/05/19

Saiid al-Halawi

9
中世フランスのパン生活史。都市には壁内のパン屋の他、近隣の農村から定期的に販売に来る出張パン屋も不可欠で、これの多寡が都市の規模を測る一種の指標足り得るという指摘に唸った。一部には焼成専門のパン焼き人がパン屋の商売敵として存在したなど、知らない事だらけじゃ!2012/10/25

鐵太郎

6
ヨーロッパ人を肉食人種だと言う人がいます。一面的な理解です。少なくともフランスにおいて、穀物から作られたパンと総称される食品は、呪縛というと大げさですが、彼らの生活と精神を支配していました。それは、日本人にとってのコメと似ています。主食という言い方はしませんが。こういう文化史、縁はないにしても面白い。ちょっと冗長すぎると思うのは、読み慣れないせいかも。それにしても、あたかも世界中の人間がパンを大事にしているという書き方、文化的中華思想だねぇ。お米の文化で育った人間としてはちょっと微笑ましい。2013/12/01

文旦飴

3
中世のパン事情について、多岐にわたって非常に細かい具体的な記録について教えてくれるので、読んでる傍から中世の生活風景が脳裏に浮かんでくるのが実にいい。粉ひきの順番待ち中に井戸端会議する様とか、パンの製造検査会の様子とか、当時の人々の会話まで聞こえてきそうな本。2012/07/19

四号戦車

1
用語集から読むことをお勧めします。 お金の単位とか重量の単位が色々とあり、先に把握しないと混乱します。2020/09/21

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