白水Uブックス<br> 魂の形について―エッセイの小径

白水Uブックス
魂の形について―エッセイの小径

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  • サイズ B40判/ページ数 178p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560073353
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

 三次元の存在であるわれわれには、より高次の存在である「魂」はイメージできない。しかし、この不可視なものに形を与えようとしてきた人間の想像力には興味はつきない。その苦悶の跡を、高名な詩人である著者が詩人らしいひらめきを自在にはたらかせゆたかな連想をくりひろげつつ辿る。瞑想の書。

内容説明

「魂」という不可視なものに形を与えようとしてきた人間の想像力。その興味つきない苦悶の跡を、詩人らしいひらめきを自在にはたらかせゆたかな連想をくりひろげつつ辿る瞑想の書。

目次

1 たま、あるいはたましひ
2 何を以て羽翼有るや
3 白鳥黒鳥
4 漂えるプシュケー
5 オシリスの国
6 ラーの舟
7 蜂蜜あるいはネクタル
8 魂の梯子と計量
9 心蔵から蓮華へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

29
目に見えないものなのに、その実在を信じずにはいられない魂というものについて、古来どのような形が想像されてきたか。日本の蛍や千鳥、ギリシャの蝶や蜜蜂など、翼をもつもの、さらにインドの心臓や蓮の花などの中でひときわ異様なのはキリスト教中世図像学で魂が人間の形をしていることで、臨終の最後の息から人間が吐き出される図像は漫画的にさえ見える。人間の死後の復活を信じるには魂も人間でなければならなかったのだろうか。しかし結局は、目を閉じたときに見え、耳をふさいだときに聞こえるものが魂なのかもしれない。2020/03/14

内島菫

17
神々の名に「むすび」(産霊の字をあてるという)とつくものがあることは、本書のいう通り「霊的な生産の行為」であり「生の根源に深くかかわるもの」であるだろう。私はそれに加えて、生をむすぶということは、最初から複数のものが一気に結ばれてあることを指しているようにも思える。心身二元論は後世においてその最初からあった複数の割り切れないものをきれいにわかりやすく整理したものに過ぎないのではないか。2022/06/01

うた

5
魂の形象について。ときに蝶となり、ときに鳥となり、宿る罪過の重さを計られたり、口からふっと出ていったり。古代の魂の表し方について縦横に語る。語り口が無意識に手遊びしているかのように自然で思わずうっとりしてしまいました。2014/09/20

ぞしま

4
かなりオカルトな内容でありながらも、多田さんの、豊かな知識、学術的な裏付け、大胆で奔放な思索、それらが真摯さを土台に見事に調和しており、読書をグイグイ引き込んでいく。興味の方向性が作家の人となりを表していて、とても魅力的。2016/01/23

shishi

2
[A]「古人が魂をそのようなものと実感したところのもの」であり、「人間の根源的意識(ユングのいわゆる集合的無意識)が所有する原型的イメージから生み出された魂の表象」を探る知的なエッセイ。日本、中国、インド、チベット、エジプト、ギリシア…さまざまな地でかつて人間が残した魂についての記述を分析する。文章が実質的でいて詩的。著者の博学が羨ましい。2012/05/19

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