白水Uブックス<br> 101/2章で書かれた世界の歴史

白水Uブックス
101/2章で書かれた世界の歴史

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  • サイズ 新書判/ページ数 402p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560071083
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

出版社内容情報

 ノアの箱舟の密航者が語る航海の真実、中世フランスで実際にあった奇妙な「虫裁判」、ジェリコーの大作「メデューサ号の筏」制作の顛末、月面で啓示を受けてアララト山に箱舟を捜しにでかける元宇宙飛行士……崇高にして滑稽なる人類の歴史に挑む。『フロベールの鸚鵡』の作家の知的で愉快な小説。

内容説明

ノアの箱船の密航者が語る航海の真実、中世フランスで実際にあった奇妙な「虫裁判」、ジェリコーの大作「メデューサ号の筏」制作の顛末、月面で啓示を受けてアララト山に箱船を探しに出かける元宇宙飛行士…滑稽にして崇高なる人類の歴史に挑む『フロベールの鸚鵡』の作家の知的で愉快な小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

274
101/2章の全てを、異なったスタイルで書く試み。ある時は、一人称の回想体で、またある時は書簡体でといった具合に。ポスト・モダンの旗手と目されるジュリアン・バーンズの面目躍如といったところ。中では「挿入章」の文体が、最も新しいかと思われる。そして、全体を貫流するキー・コードが「方舟」と(キクイムシ)だ。読んで面白いのは(これは好みが分かれそうだが、私には)冒頭の「密航者」と、「アララト計画」、「夢」だった。もちろん、他のものも含めて、「語り」の異相を存分に楽しむところに本書の真骨頂があるのだろう。2016/02/16

まふ

102
「フローベールの鸚鵡」ほどのバラバラ感なく面白く読めた。各章はノアの箱舟、キクイムシなどの共通アイテムを軸に短編小説的に語られ全体の統一感を保つ。天国の様子も細かく描写されたり、ノアの箱舟船団の構成・航海の様子なども見てきたようなリアル感十分に表現されていた。著者の奔放な発想力と描写力がうまく発揮された好著である。G1000。2023/08/07

ケイ

102
いろんな視点から見た歴史である。一章の「密航者」で度肝を抜かれ、次に話では肩透かしだったり。そして、五章の「メデューサ号」で、震え上がる。ともあれ、この2つが私は群を抜いて気に入った。愛についての考察など、理屈っぽく、理屈をこねた作者の思考に付き合うかの如くな記述に辟易する部分もあった。こんな本、あってもいいんじゃないでしょうか。しかし、同作家の「フロベールの鸚鵡」も苦労しそうな予感。2015/06/28

扉のこちら側

84
2016年82冊め。【112/G1000】1章を読んで聖書のパロディなのかと思いきや、国も時系列も飛びながら人類の歴史のところどころに焦点を当てて行く連作短編の物語だった。主たるテーマは『歴史は繰り返す』。ノアの箱舟と、選ばれるもの/選ばれざるもの。そうして、誰が世界を手にするの?2016/02/07

KAZOO

77
これは世界史の歴史について語っているものではなく、歴史のある時点の中の事件を題材にした短編小説集なのであるということがよくわかりました。結構それぞれの事件についてはきめ細かなノンフィクションのような感じがあると思いきや架空の物語のような感じもします。本当に奇妙な感じの小説というしかありません。2015/07/31

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