出版社内容情報
「ベルクソンを理解するにはベルクソン主義を退けなくてはならない」。流れる時間の強調、知性偏重への警告など、いわば常識的な見解のみでベルクソンを理解すると、彼のラディカルな部分を見過ごしてしまうだろう。本書はベルクソンの思想の本質を著作にそって記述した恰好の入門書。
内容説明
「ベルクソンを理解すにはベルクソン主義を退けなくてはならない。」流れる時間の強調、知性偏重への警告など、いわば常識的な見解のみでベルクソンを理解すると、彼の本当にラディカルな部分を取りのがしてしまうだろう。本書はベルクソンについての先入見を取り去るための恰好の入門書である。
目次
序 誤解された業績
第１章 時代のなかのベルクソン
第２章 ベルクソン、論証の順序について
第３章 方法とくり返される主題
結論 ベルクソンの遺産
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hakootoko
6
経歴・著書紹介・全体からの著者の解釈と内容はよく、さらにコンパクトでとても良いけど、知らない固有名、知らない議論が、「周知のとおり」な感じばんばか出てくるので、苦しい顔にならざるを得ない。難しい。『ベルクソニズム』くらいわからない。2021/09/10
Schuhschnabel
4
ベルクソンの入門書。ドゥルーズの『ベルクソンの哲学』を意識して書かれているらしい。まず、学生時代ほぼすべての科目で優秀な成績を修め、なおかつTPOをわきまえた発言や振る舞いを行うなど、失礼ながら自分が抱いている哲学者像とは異なっていることに驚いた。それから、４つの主著で論じられているテーマは異なるにも関わらず、それらを一本につなげてくれる解説は素晴らしい。それでいて、論点をまとめただけの入門書にありがちな〈わかった感〉を残さず、著作を読む意欲も高めてくれる。2017/09/29
ひろ
3
クセジュのせいなのか、はたまた上村先生の訳だからか、難しいというか読みにくいというか…。余裕がある時にもっかいゆっくり読もう。。。2016/10/14
左手爆弾
2
ベルクソン哲学の入門としては最もよいと薦められたのだが、これでもかという典型的な「クセジュ文体」のために読むのに苦労した。プロティノスとラヴェッソンへの共感からベルクソンの思想は始まり、カント（およびカント主義）への対抗から「持続」の問題に辿りつく。また、想像と記憶を徹底的に区別したのも、当時の心理学者への反発。生命は連続的変化であり、途絶えることのない創造である。生の飛躍は神に位置づけられるという意味において、ベルクソンは決して無神論者ではない。2016/03/07
Bevel
2
二源泉と、試論を読んだけれど、ベルクソンをうまく想像できないので読んでみた。海外の概説書の翻訳を読むといつも思うのは、なんというか、文化圏がそれぞれもつ前提はこれほどまでに違うんだな、ってこと。薄い本なのに、読むのに6時間くらいかけてしまった。や、難しいがしかし、実りも多かったように思う。2009/10/26
