出版社内容情報
1864年、赤十字国際委員会により、武力紛争時の人間の尊重を目的として、すでに承認されていたいくつかの人道的原則を法律化し、ジュネーブ国際人道法が誕生した。この法律の歴史的基盤、戦闘員の倫理、犠牲者の輪郭、適用のメカニズム、その限界と課題などを概説し、人類普遍の原則の遵守を唱える。
目次
第1部 国際人道法、世界的戦略(戦闘員の倫理;犠牲者のプロフィール)
第2部 国際人道法とその限界(自主的行動主体としての国家;監視された自由のもとの国家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中将(予備役)
1
関心はあったがあまり学んでこなかった国際法を、ロシアのウクライナへ侵攻を機に学ばなければと思い読んだ。少し古いし翻訳ゆえの読みにくさもややあるが、「軍事的必要性と人道的要請のあいだの妥協の法」(序論から)である人道法の入門書。4条約2追加議定書の条文を挙げながら、保障内容と限界が体系的に解説されていた。赤十字国際委員会の独立性と重要性がよく分かった。2022/03/27
rbyawa
0
ものすごく大雑把に「していい殺人(純軍事行為)」とそうでない違法行為に一線を引く行為なんだろうなぁ、と読み進めて行くとなんとなく見えてくる本。敵国の兵士は“罪人”じゃない、けど、二国を股に掛けたスパイは?(それでも拷問はしてはならない) 赤十字はいかなる軍事・諜報活動に携わってもならないが、さて、彼らの使っていた車は? 赤十字マークを外した場合の扱いは?(病院船は徴収が許されない) 正直、明確な正義なんてものはないよね、この本には。2009/11/05