文庫クセジュ<br> 異端カタリ派

文庫クセジュ
異端カタリ派

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  • サイズ 新書判/ページ数 137p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560056257
  • NDC分類 169
  • Cコード C1216

出版社内容情報

十三世紀にアルビジョア十字軍によって殲滅させられたカタリ派とは、どのような教派であったのか。本書は、その特異な二神教をマニ教との類縁に力点を置きながら論じ、この謎につつまれた教団の興亡を、当時はなやかな文化を開花させたラングドックのフランス国家への統合の流れのなかに再現する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

11
カタリ派の発生から消滅まで時系列を追って記述されている。著者の立場はカタリ派がマニ教から発生したという立場を取っているが、訳者も書いているようにこれはあくまで仮説として読むのが正しいように思う。それにしてもやっぱりキリスト教の非寛容性は凄いなあ。仏教だとどのような異端も一つの流として受け入れるのだけど、やっぱり器の違いかなあ。一つの宗教が消滅し、一つの文明が消え去っていくラストは何とも物悲しい。2011/09/28

ndj.

9
佐藤賢一『オクシタニア』読了後読み返したくてたまらなかった一冊。第六章以降のアルビジョワ十字軍について、一読しただけでは非常に分かりにくかったレモン7世の動向がすんなりと理解できたので興味のある方は併読をお勧め。序でいきなりカタリ派をキリスト教の異端ではなく「全く別の宗教」と断じてしまっているうえ、マニ教→カタリ派の流れに固執する点はマイナスだが、日本語で読めるカタリ派の入門書として今でも一番手軽なものではないだろうか。2016/08/31

5
キリスト教異端カタリ派の概説書。底本は1955年の刊行。本文百三十ページ未満のうち、序盤はカタリ派の前史。カタリ派の教義や信仰生活は中盤で、残りの約五十ページがアルビジョア十字軍。宗教史的検討よりも南フランス史の比重が大きい印象でして、異端への弾圧ということで日本史でいえば島原の乱のようなものかと思いきや、その実態は南フランスを支配下に収めるためのフランス統一戦争。異端カタリ派とはキリスト教の異端という枠を超えて、かつてフランス国内に存在したもう一つの文化圏の象徴という位置づけなのであります。星5つ。2021/12/07

onisjim

4
著者が主張する、マニ教からカタリ派への系譜という仮説の真偽をうんぬんするのではなく、なぜそのような説を唱える人々がいるかを考えた方がいいだろう。まさにアルビジョア十字軍をきっかけに統一されてしまった、もうひとつの言語文化圏からの申し立てなのだということを念頭に置くとおもしろく読める。2015/09/23

杞人

4
カタリ派の概説書。ただしカタリ派はマニ教の後継者と断言する内容で、はてそんな説有力だったっけなと首をかしげたが、巻末解説によると著者の郷土愛のなせるものか、とのこと。…なるほど、そういうことか。カタリ派が郷土の誇りという考え方は思いつかなかったよ。2013/08/21

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