出版社内容情報
レーガン氏の全身をゲバラやビコ医師などの面々が解体し、第三世界に資源として供給する手術レポートの表題作をはじめとした、切れ味クールなスプラッター短篇集。「人間」にまつわる妄想や寝言を、J.G. バラードのごとく、ドクターがきれいサッパリ切除する。
内容説明
レーガン氏の全身をゲバラやビコ医師が解体し、第三世界に資源として供給する手術レポートをはじめ、マッドな外科医作家が「人間」にまわる妄想を軽やかに切除するグロテスクな短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すけきよ
6
短篇集。小説としては趣味のタイプではなかったんだけど、本当に切れ味鋭いという表現どおりの描写は一読の価値あり。表題作と「男の恩寵を捨てて」、「そのもの」は人間が切り刻まれていく様を描いているんだけど、冷たいメスが刺される読書感。それは、人体破壊ではなく、感情が入りこまない病理的解剖に他ならない。その描写そのものは怜悧で、グロテスクさはないんだけど、それを作り出している周りの状況は悪趣味の極み。他の作品はダークファンタジー、ホラーとしてよくできていると思うんだけど、この作者で読まなくてもいいかも、と言う感想2009/06/15
Mark.jr
5
グロテスクでアンモラルな作品ばかり入っている短編集です。人体をほとんど物として扱っているところに理系的なセンスを感じます。どぎついブラックユーモアが凄い表題作がお気に入り。ただ、文章力にちょっと難があるような…2019/07/01
明智紫苑
5
邦題での表題作はSFなのかホラーなのか迷ったが、他の作品は分類不能がいくつかあるので、便宜上「オムニバス」として扱う。表題作は生体解剖というおぞましい題材だし、他にも主人公がとんでもない事をやらかしたりするが、私にはこの短編集の魅力が分からなかった。2017/03/06
ヴィオラ
3
もっと危険な話、もしくは奇妙な話を想像していたんだけど、意外に普通。物語として意外性があったり、盛り上がったりするわけでも無いし、あまり好みじゃないなぁ…(;´∩`)それでも「暖かさの約束」「そのもの」「ベストセラー」あたりは楽しかったかな?2011/09/11
hika
2
レーガンをゲバラ医師らが麻酔なしでバラバラに手術し、肉体を第三世界向けの資源(食肉、香水、建築資材等)に造り直すさまを記録として淡々と描いた表題作等。人間を単なる物質の集積として描いた作品が多くて、なかなか楽しい2016/11/03