出版社内容情報
「どこから話を始めたらいいか――僕がペンシー高校をやめた日のことから話すことにしよう。」――そう、それなんだな、ホールデン・コールフィールドがぼくたちとちっとも変わらない人間だってことが、ピンとくるのは。だから、彼とだったらとことん付き合って、最後まで読もうってわけなんだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nakanaka
99
まず思ったのは名作だということとホールデン・コールフィールドがとても魅力的な人物であるということでした。ホールデンがとても孤独な少年に思えましたが様々なことに反発する点などは思春期に誰もが感じるものなのかなとも思えますね。学校を放校されてしまう境遇は一般的に考えると稀なケースではありますが彼の考えや行動にどういうわけか共感出来不思議でした。ホールデンの心の支えにもなっている家族の存在も作品をより深くし彼自身を魅力的な主人公にしているのではないでしょうか。特に、亡くなった弟・アリーへの想いにはグッときます。2016/11/10
テツ
32
「ライ麦畑で小さな子どもたちが追いかけっこしているんだ。僕は危ない崖のふちにいて、崖から転がり落ちそうなる子供を捕まえる。ライ麦畑の捕まえ役。僕はそういうのになりたいんだよ」大切なのはストーリーではない。世界にはホールデンのこの言葉に全てを貫かれる人間とそうではない人間がいるだけだ。社会に適応出来ないホールデンのきもち。行き場のない世界で唯一憧れるのは徹頭徹尾無駄な役目。大人になるにつれイノセントを捨て去ることが正しくても、それが出来なくて他人にもそれを捨てて欲しくない人間の静かな叫び。2017/03/14
ふじっこ
28
まず…、『The Catcher In The Rye 』─ライ麦畑でつかまえて─この題名はずるい。きれいすぎる、これは。以下感想。少年から大人になっていく時には一度は思うだろう。僕は周りの大人たちのようにはならない。こんな歪んだ世間に埋もれてたまるか。真っ当な僕が世間を正してやる、と。ホールデンはただこの気持ちに極端に正直なだけだ。私はこの本を面白いとは言えない。でも、読者の心とタイミングが合えばこの本は大きな影響を与える本だと思う。─ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。2014/04/12
空飛び猫
13
世間の在り方。 反発。 やり場のないエネルギー。 2016/01/02
チュンセ
13
コミニュケーション能力が人とは違っていて、さぞ生活しづらかったと思われる主人公。今で言う発達障害の部類に入るのかなぁ?と思いながら読み進めました。が、繊細な心を持っているのは確かですねぇ。・・・・・・だけど、私にはなんだかわからなかった・・・まだまだ読む力が無いのかなぁ??2015/12/07