出版社内容情報
西アフリカ・サバンナ地帯の無文字社会に息づいている「音の世界」――その「音」「言葉」「音楽」といった人間のコミュニケーションの根本に、長年の現地調査と厖大なフィールドノートの成果をふまえ光をあてる――日本の文化人類学が世界に誇りうる注目の労作を白水カセットブックに完全収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とまる
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自分のなかで、自分達と離れた音は 文字や音階で表せる形に変えられることが普通になっている。世界にある音をただ 意味のある「Koεga(コエガ)」と意味を為さない「bυυre(ブーレ)」のみに分ける西アフリカ・モシ族。言語音と非言語音を安直に分けず、音に含まれる意味の有無で音を聴き 発すること。それは音と声・自然音と人工音を発されたままの姿で深く関わらせると同時に、人が受信しやすいかたちに世界を変えるのでなく 世界を在るままに受信できるアンテナを自分のなかに作ることな気がする。2012/06/28