出版社内容情報
すぐれた映画批評家にして小説の読み手である著者が、内外のシナリオを引用しながら、文学の中に映画を読み、映画の中に文学を観る楽しみを語る。<初版1976年>
内容説明
映画と文学という二つの異なる芸術ジャンルは、シナリオという文字表現に唯一の共有部分を見出す。すぐれた映画研究家であり、文学にも造詣の深い著者が、テキストとしてのシナリオの文学性に着目し、エイゼンシュテインのモンタージュ的シナリオから谷崎潤一郎『蛇性の淫』や川端康成『狂った一頁』のシナリオ、シャルル・スパーク『女だけの都』からヌーヴェル・ヴァーグのシナリオまで、数多い名作を綿密に検討する。まさに世界映画シナリオ史ともいうべき労作。
目次
シナリオとシナリオ文学
文芸作品の映画性
無声映画時代のシナリオ
文学者のシナリオ
トーキー初期のシナリオ
日本映画のシナリオ
アメリカの文学と映画
演出とシナリオのチーム・ワーク
イタリア映画のシナリオ
「カメラ=万年筆」
ヌーヴェル・ヴァーグとヌーヴォ・ロマン
むすびのかわりに