渋沢龍彦との日々

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560027776
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

夫と過ごした十八年の日々を静かにふりかえる、感動の書き下ろしエッセイ。

目次

出会いと結婚
執筆の日々(北鎌倉のわが家;パイプ;わが家のオブジェ;宗達の犬と兎のウチャ;澁澤家の食卓;お酒;散歩;喧嘩とお叱り帖)
旅と交友(初の外国旅行;三島由紀夫さん;吉行淳之介さん;石川淳さん ほか)
発病
全集刊行と没後の日々

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

117
作品から滲み出る澁澤氏もすごく好きなのだけれど、やはりご夫婦間での視点はまるで別物。そういう細かなところを知れるというのは、ファンとしてとても嬉しいことだけど、一抹のせつなさも感じた。でも澁澤氏の茶目っ気のある部分なんか、失礼ながら可愛いなとさえ思えてしまう。早死にされてしまったのが今更ながら残念でならない。龍子さんの深い愛情が伺える数々のエピソードは、古いアルバムをめくるように温かい。2013/08/03

青蓮

111
再読。妻である澁澤龍子さんから見た「澁澤龍彦」について綴ったエッセイ。18年間に及ぶ彼との穏やかな結婚生活や錚々たる交友メンバーの記録を見ると、ファンとしては嬉しい反面、何だか切ない気持ちになります。魔術師のように一時代を築いた澁澤龍彦。彼はもういないけれど、残した作品達は今現在も生きている。作品をまた読みながら彼の思考を旅しよう。本を開けば、何時でも彼に会えるから。彼を支え続けた龍子さんにも心から感謝。2016/11/07

鱒子

75
澁澤龍彦夫人のエッセイ。名前が龍子(リュウコ)さんというのが、なんとも縁におもえます。ひとまわり歳の違うご夫婦の愛がたっぷり詰まった本でした。澁澤龍彦氏の仕事ぶりやプライベートが窺えて、興味深く読みました。2021/12/21

しあん

27
ページの一枚一枚に、私が愛する世界が広がっていました。中井英夫や種村季弘、四谷シモンのことが何度も出てきました。季節の移ろいをとても意識しながら暮らしていたという、二人の結婚生活についてのページも愉しく読みました。 2019/10/26

藤月はな(灯れ松明の火)

23
退廃的で幽玄な作風の小説家でもあり、堀口大學氏と並ぶほどの華麗な訳で有名なフランス文学の翻訳者でもあり、人形や異形、サディズムなどの陰の文化にも明るかった澁澤龍彦氏を伴侶である龍子さんが振り返ってみた人物像。澁澤氏がフランス料理よりも中華や日本料理が好きだったこと、松ぼっくりに喜んだり、好きな歴史上の人物が織田信長だったこと、兎を溺愛したり無邪気な面が愛おしく思えます。三島由紀夫氏や稲垣足穂氏、中井英夫氏などの交流も病床での執筆活動も盛んでありながらもその最期に涙を零さずにはいられません。2012/02/09

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