内容説明
琵琶湖の東側に開けた滋賀県東近江市。その山沿いにある甲津畑という集落に、小学5年の恋ちゃんが、大好きなおおばあちゃん、竹子さんと住んでいました。おおばあちゃんは92歳。90歳を過ぎても毎日のように畑仕事をしてきたおおばあちゃんも、急にからだが弱くなり、一週間ほど前からはふとんから出られなくなってしまいました。元気になってほしいと恋ちゃんは毎日おおばあちゃんの手をにぎり、うれしかったこと、悲しかったこと、いろんなことを話しかけました。もっと、もっといっしょにいたかったけど…。
著者等紹介
國森康弘[クニモリヤスヒロ]
写真家、ジャーナリスト。1974年生まれ。京都大学経済学研究科修士課程修了、神戸新聞社記者を経てイラク戦争を機に独立。イラク、ソマリア、スーダン、ウガンダ、ブルキナファソ、カンボジアなどの紛争地や経済貧困地域を回り、国内では、戦争体験者や野宿労働者、東日本大震災被災者の取材を重ねてきた。「あたたかで幸せな生死を伝えたい」と、近年では看取り、在宅医療、地域包括ケアの撮影に力を入れ、滋賀・永源寺地域の花戸貴司医師らに同行取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころりんぱ
50
おおばあちゃんの死顔が穏やかだった。家族に囲まれて家で最期を迎えられるって、今時ものすごく少ない事だろうな。すごくいいなぁと思った。恋ちゃんも大好きなおおばあちゃんに触れたら、冷たくてびっくりしたみたいだけど、それが死ぬってことだってわかっただろうし、これからはずっと、おおばあちゃんの思い出の光りを心の中に灯して、時々思い出しながら、生きていけるだろうな。恋ちゃんの涙が印象的でした。自分の亡くなった祖母の顔が浮かび、思わず、ばあちゃーん、私も頑張って生きてるよー(;_;)と言いたくなった。2014/04/24
テルテル
44
私の初めての看取りは母親だった。幼い頃の私は死と向き合うことは、あまりにもつらく、かなり引きずったことを覚えている。私のお気に入りの絵本『おおきなあな』の場面の『あな』に落ちて、いつまでもはい上がれなくて辛かったことを覚えている。母が亡くなったとき、泣きじゃくる父の後ろ姿が小さく見えたことを覚えている。それでも父は毎日のように仕事に出かけた。私に沢山の笑顔をくれた。振り返ると、父の心は板挟みで、自分の心の辛さを抱えながら、子供の心の支えになるという強い決意があったのだろうと思う。お勧めの一冊。2015/07/04
Naomi
21
小学5年生の恋(れん)ちゃんが、自宅でおおばあちゃんの死を看取りました。家族に見守られて旅立っていくおおばあちゃん、写真から優しい空気感が伝わってきます。2016/07/15
もっちゃか
21
あとがきに「人は死んだら生き返りますか」という質問に小学校5・6年生の3割が「はい」と答えた、「3回までリセットできる」と答えた子も少なくないとあり衝撃を受けました。日常の中に自然に死があった時代とは違う今、こういう絵本が必要なのか・・・と複雑な気持ちになりました。旅立つ人もそのまま写真に写されていますが、恋ちゃん目線で綴られているので子どもでも読みやすいのでは。これを読んだ今の子どもたちがどう感じ何を考えるのか・・・。私自身も、子どもにどう伝えるべきか考えさせられました。2013/05/15
kinupon
20
シリーズ2冊目。こんなに優しい本はありません。またまた涙・・・・2014/03/31