法律における理窟と人情

法律における理窟と人情

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 19X14cm
  • 商品コード 9784535576766
  • NDC分類 320.4
  • Cコード C3032

内容説明

民法学の泰斗、故我妻榮先生が講演速記録に手を入れて成った本書は、法律学の神髄を面白くかつわかりやすく説く。法律における一般的確実性と具体的妥当性の調和を説く表題作のほか、夫婦・親子・家族共同生活の3部に分けて、新しい近代的な家庭生活をどのようにしてつくっていくかを説く「家庭生活の民主化」を収める。

目次

法律における理窟と人情(杓子定規は法律の生命;刑法のマグナカルタ;主観主義と万引;法律の解釈における論理と倫理;被治者根性の清算;法律論と常識論;法によって法の上へ ほか)
家庭生活の民主化(アメリカの亭主と日本の亭主;妻は夫の職務に協力するか;夫婦の財産共有制;財産分与請求権と相続権;民主主義と子のしつけ;子を喰いものにする親 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メガネ@ポテトライナー

5
たまに法律の本だって読みますよ。 一般的確実性(法的安定性)と具体的妥当性の調和は本当に法学の真髄というかゴールだと思う。2019/01/20

世話役

5
戦後民法学の通説を形成し、判例実務にも多大な影響を与えた法学者・我妻栄の講演録。昔の法学者の著作や講演録って、法学を越えて古典文学に通じるような教養と読者に対する滋養があると思う。とてもコンパクトな本なので、法学の大家の考えに触れてみたい人は一読をお薦めする。2013/05/05

3
法律の解釈・適用における一般的確実性と具体的妥当性との調和についてと、現行民法における家族についてとが、平易にかつユーモアをまじえつつ語られている。前者に関して、概念法学や自由法論などについても考えながら読むと面白いだろうと感じた(本書解題参照)。後者に関しては、我妻博士が憲法24条の改正について言及している点が興味深かった。2013/05/09

Masaki Iguchi

2
民法学の大家による講演録。「民主化」や「新憲法」という言葉に、戦後まもない頃の空気が漂う。読んでいてリベラルとバランス、という言葉が頭に浮かんだ。現代でもこの2つを併せ持った人はそう多くはないのではなかろうか。法律の類を運用する者の端くれとして、ときに「遺憾ながら」失敗することがあっても、理窟と人情の調和を試み続けたいと思った。2022/02/09

TM

2
我妻先生の本は,どれも予言書のようなところがあり,一体どのくらい先の未来まで考えて論じたのかと,感動すら覚えるものですが,本書もまたそういった類の本と言えなくもありません。初版が1955年となっているので,今から65年前ということになりますが,この中で我妻先生が目指そうとしていたものは,今も全くそのままであり,我々はまだそこに至る途上にいることに気づかされます。65年が経ち,目標に近いところにいるのか,それともまだスタート地点にいるのか,我々が進歩しているのか,よくよく見つめなおす必要があると思います。2020/08/22

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