出版社内容情報
人類は資源をめぐり争奪・競争・開発の歴史を繰り返してきました。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦です。また、資源は固定化されたものではなく、石炭、石油、レアアース、再生可能エネルギーと歴史の流れにより変遷してきました。
そして、資源の変遷の陰には常に技術の存在があります。これまで人類は、ある自然物に対して技術をもって働きかけることで、価値のなかった自然物に人間にとっての利便性という価値を与え、単なる自然物を資源へと転換してきました。ドイツが化学産業立国を目指したのは資源なきが故でした。そして、さらなる利便性や豊かさ、または力を求めて様々な自然物の囲い込みとそれを活用する技術開発の競争を繰り広げてきました。中国がレアアースを利用するのはその現れです。
そして現代、これまでを覆す新しい歴史の流れとして、社会の仕組みと技術により自然物ではないものに資源の価値を与えていくという、エネルギー転換(Energy Transition)ならぬ資源転換(Resource Transition) ともいえる兆しも見えてきています。これは世界のパワーバランスを大きく揺さぶり、新たな競争をもたらす可能性があります。
世界の資源エネルギーは今後どのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか、資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望するスケールの大きな新しい世界史の登場です。
内容説明
スパイス、石油、再生エネルギー―。人類は資源をめぐり争奪・競争・開発を繰り返してきた。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦だ。石油の時代の終焉を迎え、資源エネルギーの潮流はどのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか。資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望する、かつてない世界史
目次
第1章 スパイス戦争―資源争奪の大航海時代
第2章 近代化の扉を開けた石炭
第3章 資源獲得競争を加速させた石油、天然ガス
第4章 気候変動時代の資源エネルギー
第5章 エネルギー転換が生み出すエネルギーの新潮流
第6章 廃棄物が資源の主役となる未来
終章 日本が資源エネルギー争奪で生き残るために
著者等紹介
平沼光[ヒラヌマヒカル]
東京財団政策研究所研究員。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。日産自動車株式会社勤務を経て、2000年より現職。内閣府日本学術会議東日本大震災復興支援委員会エネルギー供給問題検討分科会委員、福島県再生可能エネルギー導入推進連絡会系統連系専門部会委員を歴任するほか、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)低炭素社会戦略センター客員研究員も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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