内容説明
「値段がないまま企業を買う」「わざと損して持ち株を売る」―。そんな摩訶不思議がまかり通る日本のM&A。取材秘話を交えて、気鋭ジャーナリストが真実に迫る。渾身の経済ドキュメント。
目次
第1章 三角合併アレルギー(経団連が猛反対;外国株は危険なのか;株式交換で世界の孤児)
第2章 価格を知らずに企業を売買(価格に関心なし―HOYAとペンタックス;価格なき売り物―UFJ;最後まで価格なし―楽天とTBS)
第3章 敵対的買収が成立しない(安定株主が王子製紙を粉砕;価格が安いほうに売る;世界で消えゆく“乗っ取り”)
第4章 本物のM&Aへ(ハゲタカを見直そう;スピンオフを解禁せよ;株主主権を根づかせよう)
著者等紹介
牧野洋[マキノヨウ]
1960年、東京生まれ。1983年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、日本経済新聞社入社、英文日経記者。1988年、ニューヨークのコロンビア大学大学院ジャーナリズムスクール卒業、修士号取得。証券部記者などを経て、1993年からチューリヒ、1996年からニューヨークに駐在し、欧米の資本市場や企業経営を取材。1999年に帰国して日経ビジネス編集委員、2003年に日本経済新聞編集委員。2007年6月、独立してフリーランスに。独立後、日本コーポレート・ガバナンス・フォーラムの運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ラララ
1
牧野洋 1960年生れ、1983年慶應大経卒、日経新聞入社、2007年フリーランス。日本と世界のM&Aを比較、コーポレートガバナンスを考える。ホリエモン、村上ファンドがバッシングされた直後の上梓。読みがいあり。2021/12/05
du
1
株主軽視のいわゆる日本式経営。株式持ち合いやそういった取引先との関係を重視するあまり、また経営陣の保身のために、高プレミアム提示の企業やファンドを相手にしないという、日本でしか目にかけられない摩訶不思議な資本主義の構造。2011/04/16
Tao Yamamoto
0
日本のM&Aに関して実際の事例と照らし合わせて非合理性に言及。
kenkou51
0
数年前に読んだのを再読。2013/05/24
Hisako Mi
0
もはやこの本は古い部類に入るのではないかと思います。 北越製紙やペンタックス等、価格に重きを置かないM&Aの話が書かれていますが、リーマンショック後の円高によるM&Aでは大分状況が変わってきているのではないかと思います。昔のM&Aのケースを思い浮かべつつ、本著のデータや新聞記者であった著者の切り口を確認していくと、現在のM&Aにおけるチェックポイントを再発見することもあります。2013/01/23