内容説明
人間の仕事を楽にするはずのコンピュータは、爆発的な処理能力の向上により人よりはるかに速く、安く仕事をこなし、私たちの職を脅かしつつある。絶対に人にしかできない仕事とは何か、そしていま私たちは何を学ぶべきか。
目次
はじめに―消えていく人間の仕事
第1章 コンピュータに仕事をさせるには
第2章 人間に追いつくコンピュータ
第3章 数学が文明を築いた
第4章 数学で読み解く未来
第5章 私たちは何を学ぶべきか
おわりに―計算とともに生きる
著者等紹介
新井紀子[アライノリコ]
国立情報学研究所教授・社会共有知研究センター長。1962年、東京生まれ。一橋大学法学部卒業、イリノイ大学大学院数学科修了。理学博士。2006年より現職。専門は数理論理学、情報科学、数学教育。日本数学会教育委員会委員長、日本数学協会幹事。教育機関・公共機関向け情報共有システムNetCommons、研究者向けウェブサービスResearchmapを開発。また中高校生向け教育サイト「e‐教室」を設計・主宰、子どものための数学書執筆や講演・出前授業なども行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
62
タイトル通りに「コンピュータに仕事を奪われない」ための、一つの方法として、「第二言語として数学が話せる」ことが、挙げられます。もちろんここでの数学とは、「学校数学」ではなく、次のようなことです。・数学の成り立ち・変化をとらえるための関数の使い方・不確実性を表現するための確率や統計の使い方。仕事と数学の必要性を考えるならば、ここらの本をおさえておくのも良いかと。・直観でわかる微分積分・直観でわかる数学・統計学が最強の学問である 2013/05/06
MAEDA Toshiyuki まちかど読書会
47
図書館本。凄く良い本なので、KINDLEでも買いました。繰り返し読んでいます。世の中どんどんコンピュータ化が進み、AIとかビッグデータとかよくわからない言葉を聞くので将来はどうなるのだろと思って、この分野の本をいろいろ読んだのですが、やっとその疑問が晴れました。p218の最後の言葉とそれに続くあとがきが素晴らしいと思う。こういう方が日本のAI開発の最前線にいる事に頼もしさを感じた。2016/09/03
mazda
25
これまでは単純労働がコンピュータに置き換わると言われてきていましたが、AIが発達しコンピュータ自身が学習・判断できるようになってきている昨今、自動翻訳や画像抽出など、人間が大量のデータをおおまかに判別しそれをコンピュータが正確に分けるという、これまでとは逆のアプローチで問題解決している事例もあるようです。これからは、コンピュータが上位の仕事を行い、単純労働を人間が奪い合う時代が来るかも知れません。コンピュータの進化には数学が欠かせませんが、日本ではその重要性がかなり低く見られているそうです。2018/09/19
MAEDA Toshiyuki まちかど読書会
21
AIにつき、復習として再読。以下考察メモ。人間の思考の帰納と演繹のうち帰納のパターン認識と計算はディープラーニングと機械学習でAIに置き換えられ、日本が開発中のAIの東ロボ君は偏差値57でこれ以上の向上は望めないとして2016年開発中止となった。ただしこの結果より事務仕事の75%は将来AIがするだろう。残り25%は質問力、論理が必要。AIにより決断時の選択肢が3-10倍に激増すると予想され、それを質問と論理で3つ程度に絞り込むことがホワイトカラーの仕事になるだろう。つまりはいちゃもんと辻褄合わせか・・・・2017/08/27
Yuichiro Komiya
16
人工知能に関するエッセイあれこれ。前半の、人工知能の機械学習の仕組みの説明は非常にわかりやすかった。2018/05/27