内容説明
組織のどこに不正のタネが潜んでいるか?数字はどのように操作され得るのか?監査人自身の倫理上の問題は?最前線を知る筆者が、「監査の本質」に迫る。
目次
エンロン事件から何を読みとるか
リスクアプローチ
財務報告における二重責任
虚偽の表示とは何か
重要性の概念
企業の継続性
なぜ不正を行うのか
内部統制とは何か
内部統制の不備・弱点
監査手続
監査戦略
不正リスクを探る
不正対応の監査
内部統制への依拠の戦略
監査戦略上のミス
監査手続の実施
主な監査手続の実際
意見形成
倒産・粉飾の兆候
著者等紹介
浜田康[ハマダヤスシ]
1952年生まれ。1975年早稲田大学理工学部工業経営学科卒。1977年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。1979年公認会計士登録。現在、中央青山監査法人代表社員
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感想・レビュー
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流竜会
32
ビジネス書のレビューは、あまりしませんが、これは名著と呼ぶにふさわしい秀逸な1冊です(結構旧い本ですが、マニュアル本というより読み物としても値打ちがあります)。私も部署を異動したとき読みました。チンプンカンプンだったのが、何度か読んで実務上で実感し、理解が深まりました。「どうしたら不正をさせない(不正を見つけられる)監査が出来るか」という点にフォーカスした、これからリスクマネジメントを担当なさる方々には読んでほしいと思える1冊です。異動の季節も落ち着き、そろそろご自分を見つめる頃、レビューします。k2015/06/07
あくぱ
1
長年監査に従事してきた浜田さん(著者)だけに、語られる言葉が現場感覚にマッチしており、スタッフでも日ごろの業務を深く振り返り考えれば浜田さんの言っているところに辿り着けるという意味で非常に納得的である。ここが「あれをやれ」「こうすべき」の列挙の基準や監査マニュアルと異なるところである。不正を中心に据えているが、監査全般を広く扱っている。浜田さんの監査にかける熱意に裏打ちされた深い考察は、スタッフ(のみならずおそらく監査責任者レベルにいたるまで)にとって非常に得るものが多く、ぜひとも一読を薦めたい。2011/09/25