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日経ビジネス人文庫
昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532196905
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0131

内容説明

勉強しない幹部、思い込みに基づく意思決定、馬一頭の予算削減で悶着―。550万人という巨大組織にもかかわらず日本陸軍の運営はあまりにずさんだった。謎の部分が多い戦時体制下の陸軍中央内部の動きを、知られざるエピソードを交えて、エリート将校が冷静な視点で明らかにする。

目次

略歴
満州事変発生当時の軍事課
軍備整理案処理
十月事件
満州視察
軍事課「衆議院」案
満州への将校家族携行問題
歩兵砲問題、九〇野砲問題、陸軍の空母?
山岡軍務局長、柳川次官、山下課長、永田前課長
浜松・枚方の両爆発事件〔ほか〕

著者等紹介

西浦進[ニシウラススム]
大正11年陸軍士官学校卒業、同年陸軍少尉、昭和2年陸軍大学校入校、昭和5年陸軍大学校卒業。昭和12年陸軍省軍務局軍事課予算班長、昭和14年陸軍省軍務局軍事課高級課員、昭和16年陸軍大佐、昭和16年陸軍大臣秘書官兼陸軍省副官、昭和17年陸軍省軍務局軍事課長、昭和19年支那派遣軍参謀、昭和21年中国より復員、予備投編入、昭和30年防衛庁防衛研修所戦史室長。昭和45年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロッキーのパパ

16
この時代の出来事は「事」としては知っているつもりだった。それでも、現場にいた人物の証言を読むと、ビビッドに歴史の息吹を感じた。 旧陸軍軍人というと猪突猛進を想像するけど、著者は知識といい、識見といい優れた人物であることは間違いない。 ただ、その主張の根底には軍事国家優先が強く感じられる。じゃあ世界一の軍隊になったとして、さらにそのさきにどんな国家を目指すのかを本人も分かっていないんじゃないかという気がした。戦争だけを考えることができない人物しか育てられなかったところが旧陸軍の限界なんじゃないかと思う。2014/02/11

筑紫の國造

10
戦前〜戦中に軍政の中枢にいた著者による回顧録。驚くような事実の暴露、というものはないが、1人の軍事エリートによる軍政を回顧した読み物として楽しめる。中でも、上司が仕事の内容を把握しておらず、仕事が下僚任せになっている、という指摘は軍の下克上風潮の原因の一つとして興味深い。また、統帥部の案に対して軍政側がいかなる理由から反対を述べるか、を指摘した箇所は、省部のあり方を考える際に考慮すべき事柄だと思う。文章はところどころ違和感があるが、読みやすい。2017/04/26

CTC

9
1980年刊、13年に日経文庫。陸士34期の三羽烏の一角 西浦進氏の著作(他の2人は服部卓四郎と堀場一雄氏)。元々は私家版的に昭和22年に纏めたものと。著者は12年の軍事課予算班長を皮切りに、19年末に支那派遣軍に転出するまで、軍務局軍事課の要職を歴任(途中、陸軍大臣時代の東条の秘書官も務めている)。軍事課は予算や人員の管理が主任務。解説に戸部良一氏が記すとおり、氏は様々な事象に、ファナティックな反応をせず理知的に判断する様を記している。自身の見聞きした事以外には言及もせぬ姿勢に誠実な人柄が窺える。2015/09/15

ネコ虎

8
西浦進は軍事官僚として非常に優れたエリート軍人。官僚組織としての陸軍を当事者の目と体験を通して具体的に描いている。その指摘は上司や同僚等の人物評価から陸軍内の諸問題まで書いているところが面白い。特に予算班での業務はこれまで余り知ることが少なかったので理解が深まった。上司の勉強不足や参謀本部作戦課の暴走を批判しているが、特に人事局長や参謀本部第一部長の職にあった富永恭次を問題にする。確かに陸軍の組織としての問題もあるが、この富永や杉山元、辻政信等ダメ軍人がいなければもう少しまともな戦争ができたかもしれない。2016/03/19

あにき

8
陸軍省軍務局で長らく予算畑を歩んだ著者。この方面からの証言は貴重である。著者は実業家になっていても成功したであろう見識の持ち主であり、天保銭組であることから考えて実に職務を良く研究されたことが伺える。また著名な将軍達への評価も新鮮なものがあり、小所帯の海軍による巨大な陸軍への対抗意識の矛盾点なども的確に指摘している。各軍団の編成のいきさつなどが詳しく分かればと思い読みはじめたのだが、その事自体にはあまり触れられてはいなかった。反面、省内の人事移動については折りにふれ言及されている。2013/07/28

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