内容説明
古代の女性天皇は巫女だった。ヤマトタケルは水銀中毒にかかっていた。東大寺の大仏に使われた黄金は密かに朝鮮半島から持ち込まれた―。民俗学の泰斗が旧辞、説話、伝承をよりどころに、想像力を駆使し、古代日本の深層に迫る。
目次
第1章 邪馬台国と物部王国(朝鮮半島が動けば倭国も動く;倭に鵲無し;筑紫平野を制した女王国;狗奴国と呉国の交流;物部氏の東遷;ヒノモトの日下;ニギハヤヒの裔としての誇り)
第2章 金属と白鳥(イリ王朝のはじまり;金属と縁がある垂仁帝の皇子たち;水銀の毒に斃れたヤマトタケル;応神天皇の卵生説話)
第3章 山部の物語(山部が伝えた二王子逃亡の物語;各地の山部が二王子を庇護)
第4章 古代巫女王の系譜―斎宮・中皇命・女帝(倭大国魂の威霊;妹の力;神と天皇の間に立った中天皇;推古女帝の役割;巫女王としての女帝;間人皇女と中大兄皇子の悲恋;持統女帝の夢歌)
第5章 奈良朝の幻夢と悪夢(聖武帝の幻夢;大仏塗金の実相;与曾女と清麻呂の対決;井上皇后の呪詛)
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。平凡社にて『風土記日本』『日本残酷物語』を企画編集、雑誌「太陽」初代編集長を務めた後、執筆活動に入る。73年、共編『日本庶民生活史料集成』(全20巻)で毎日出版文化賞を受賞。86年、共編『日本民俗文化大系』(全14巻)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。91年、『南島文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞、第二回南方熊楠賞を受賞。2001年、『海霊・水の女』で短歌研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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