日経ビジネス人文庫
古代学への招待

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784532195281
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0121

内容説明

古代の女性天皇は巫女だった。ヤマトタケルは水銀中毒にかかっていた。東大寺の大仏に使われた黄金は密かに朝鮮半島から持ち込まれた―。民俗学の泰斗が旧辞、説話、伝承をよりどころに、想像力を駆使し、古代日本の深層に迫る。

目次

第1章 邪馬台国と物部王国(朝鮮半島が動けば倭国も動く;倭に鵲無し;筑紫平野を制した女王国;狗奴国と呉国の交流;物部氏の東遷;ヒノモトの日下;ニギハヤヒの裔としての誇り)
第2章 金属と白鳥(イリ王朝のはじまり;金属と縁がある垂仁帝の皇子たち;水銀の毒に斃れたヤマトタケル;応神天皇の卵生説話)
第3章 山部の物語(山部が伝えた二王子逃亡の物語;各地の山部が二王子を庇護)
第4章 古代巫女王の系譜―斎宮・中皇命・女帝(倭大国魂の威霊;妹の力;神と天皇の間に立った中天皇;推古女帝の役割;巫女王としての女帝;間人皇女と中大兄皇子の悲恋;持統女帝の夢歌)
第5章 奈良朝の幻夢と悪夢(聖武帝の幻夢;大仏塗金の実相;与曾女と清麻呂の対決;井上皇后の呪詛)

著者等紹介

谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。平凡社にて『風土記日本』『日本残酷物語』を企画編集、雑誌「太陽」初代編集長を務めた後、執筆活動に入る。73年、共編『日本庶民生活史料集成』(全20巻)で毎日出版文化賞を受賞。86年、共編『日本民俗文化大系』(全14巻)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。91年、『南島文学発生論』で芸術選奨文部大臣賞、第二回南方熊楠賞を受賞。2001年、『海霊・水の女』で短歌研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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茶幸才斎

2
気楽に読める入門書だろうとの想像は見事に外れた。失礼ながら筆者の権威を知らない。ために筆者の説の信憑性が判断できない。だから、邪馬台国の九州発祥大和東遷説や、垂仁帝の血統と金属製錬と地名の関係、等の記述に、素直に「おぉ!」と仰天すべきか、「ほんとかぁ?」と懐疑すべきか、大いに迷いながら読んだ。後半、日本書紀等の文献に依って語られる、女帝推古と摂政厩戸王の権力関係や、大仏建立を巡る仏僧良弁・百済王敬福・宇佐八幡神職団の策謀などは面白い。古代史には面白い歴史(伝奇?)小説の題材がふんだんに眠っている気がした。2010/05/02

御光堂

1
1.邪馬台国と物部王国、2.金属と白鳥、3.山部の物語、4.古代巫女王の系譜、5.奈良朝の幻夢と悪夢、の五編からなる、古代史論集。民俗学者である著者の長年のテーマである金属民俗学や地名などを背景に語られる2が興味深かった。1や4はかなり大胆な仮説だと思うが、学界ではどうなのだろうか。しかし、このような全く学問的な本が、日経ビジネス人文庫というシリーズの一冊として出ているのが意外である。2020/04/12

Kuniharu Masubuchi

0
第五章「奈良朝の幻夢と悪夢」は聖武天皇と東大寺大仏の塗金について触れているが、749年の陸奥国からの産金を伝えるだけで、不足の金の調達に関しては触れていないのが残念。2013/02/17

Junko Yamamoto

0
ナカツスメラミコト ヒメヒコ制は残っていたよう。2018/08/02

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