内容説明
無一文から再起し、世界初の即席めん「チキンラーメン」、世界初のカップめん「カップヌードル」を生み出した、日清食品創業者・安藤百福の不撓不屈の人生。インスタントラーメン発明50周年に合わせて文庫化。
目次
第1部 私の履歴書(即席めん人生―屋台の行列が道示す;商売への興味―祖父の仕事を見て学ぶ;尽きぬ事業欲―日本一の「丸松」と組む;戦時経済―事業のヒントは無限 ほか)
第2部 麺ロードを行く―安藤百福フィールドノート(「麺」とは小麦粉を面状に延ばしたものである―上海1;箸の歴史は麺の歴史である―上海2;現代に通ずる素麺の深い味わい―南京;饅頭も餃子も麺類である―揚州 ほか)
著者等紹介
安藤百福[アンドウモモフク]
日清食品創業者。1910年生まれ。立命館大学専門学部経済科修了。58年、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明、日清食品を創業。71年、世界初のカップめん「カップヌードル」を発明。日清食品の経営にあたりながら、社団法人日本即席食品工業協会会長、財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団理事長、世界ラーメン協会会長などを兼務。2002年勲二等旭日重光章受章。2007年1月逝去。2007年正四位受位。叙位叙勲は「正四位勲二等旭日重光章」となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
400
チキンラーメンの日清食品創業者、安藤百福さんの自伝。前半が「私の履歴書」、そして後半は「麺ロードを行く」と題して36日間にわたって中国各地で300種類を超える麺を食べ歩いた記録。彼の半生記はまさに波乱万丈。戦前は憲兵隊に逮捕され拷問を受け、戦後は今度はGHQに逮捕されて財産をすべて失う。残ったのは池田市の自宅だけ。時に百福48歳。この自宅に掘っ立て小屋のような研究所を建て、開発にいそしんだ挙句に完成したのがチキンラーメンだった。彼が財産を失っていなかったら、インスタントラーメンの誕生もなかったのである。2020/11/03
あきぽん
54
朝ドラではもの静かな理系男子になっているけれど、現実の安藤百福さんはやはり大実業家、エネルギッシュで行動的な人でした。チキンラーメンを発明して日清食品を起業した時は50歳近く、その後毎日ラーメンを食べ続けて100歳近くまで生きたという、お名前の「百福」に相応しい大器晩成の方です。「海賊と呼ばれた男」を読んだ時にも思ったけれど、昭和のアントレプレナーの伝記は血沸き肉躍る素晴らしい冒険物語なので、偉いおじいさんにアレルギーのある人にもおすすめします。2018/10/15
Akihiro Nishio
21
凄い人である。物心ついたときから商人といった感じで、多くのビジネスを手がけるが、頼まれて理事長になった信用組合が破綻、財産をほぼ失う。そこからバラック小屋でインスタント麺を独りで研究。開発に成功したのは48歳の時であった。その後はこれまでのビジネスの経験が生きて、一気に事業拡大。1年後には巨大工場を建設。2年後にはアメリカに合弁会社を持つほどになる。何かをやり始めるのに遅すぎるということはないということ、これまでの経験は無駄にならないということ、たった一人でも始められることなどを教えてくれる良書。2018/10/18
のり
20
この本を読むことで明日から頑張ろうという気持ちが生まれる。私も人なので目上の人などから"最近の若者は..."と言われるのはイラッとするが安藤さんから同じセリフを言われたら仰る通りです!と跪くかと思う。それぐらい安藤さんは分厚い人生を送ってきたと感じた。安藤さんは努力の天才でもあるが人に愛される事の天才でもある。普通に歴代総理大臣と繋がりがあることに驚いた。最近のビジネスのように成功しても短命で終わるものと違い利益以上に世のためを思って履歴書に書くような建て前を本気で実行する安藤さんを尊敬する。2015/08/23
ごいんきょ
10
朝ドラのいくつかのエピソードの実際がわかりました。2018/12/09