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日経ビジネス人文庫
モンゴルが世界史を覆す

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  • サイズ 文庫判/ページ数 435p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784532193256
  • NDC分類 222.6
  • Cコード C0122

内容説明

残虐さが喧伝されてきたモンゴルは、実は「戦わない軍隊」だった。東方見聞録を書いたというマルコ・ポーロはその実在自体が疑しい。文永の役以前に送られたクビライの国書は、日本への脅迫ではなかった―。あなたの常識が試される歴史読み物。

目次

序章 私たちはどこにいるのか―歴史を見つめる眼
第1章 ユーラシア史をとらえ直す
第2章 文物と文学が照らし出す大モンゴル
第3章 時空を超えて生きつづけるチンギス・カン
第4章 人類史における「帝国」
第5章 ユーラシアのなかの日本史
第6章 見えない歴史を探して

著者等紹介

杉山正明[スギヤママサアキ]
京都大学文学部教授。1952年静岡県生まれ。京都大学文学部卒業後、同大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、京都女子大学文学部専任講師、助教授をへて、京都大学大学院文学研究科教授。日本におけるモンゴル研究の第一人者。2003年に第6回司馬遼太郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

9
Facebookの友達がモンゴル出身とのことで借りてみた。2002年初出。巻頭カラー頁で驚いたのは、紺青の陶磁器の美しさ。この色はなかなか気に入った。「破綻した欧米型の世界史像」(27頁~)は注目できる。西欧中心主義(ユーロ・セントリズム)(34頁)の終焉、破綻か。覇権もまたアメリカが未来永劫ともいえない昨今、VISTAのインドネシアなども台頭してこよう。ユーラシア史の東西ワイドな展開が経糸の時代と相まってダイナミックな様相を呈している。モンゴルがイスラームを世界化(95頁~)。つなぎ役も世界史には重要。2013/03/03

みのくま

6
「世界史」は欧米中心史観と中国中心史観の弊害が強い。著者は本書刊行当時のゼロ年代前半の政治状況を含めて、大きな憤りを感じつつ本書を書いた事が伝わってくる。空前絶後の大帝国を建設したモンゴルに対して、近代以後の西洋列強による帝国主義から逆算された評価であったり、中国王朝の文脈で過小に評価されたり、日本においても「元寇」のイメージから残忍で文化のない蛮族のイメージで語られる。しかし、実際のモンゴルは戦争に強いわけではなく、史上初の世界史「集史」を編纂したり、陶磁器「青花」を生み出したりとかなり文化の水準は高い2023/02/23

だ~しな

2
図書館にて騎馬系民族の歴史的知見を増やせる本はないかと、白羽の矢がたったのがこの本。杉山先生のモンゴル研究への熱意は素晴らしく、文化的、流通的、対外戦略から我々の知らないモンゴルをとらえなおしている。またモンゴル宗家の血脈の重要性や他国を侵略せしめたモンゴルのランドパワーについての部分は非常に面白い考察だと感じた。一方で西洋史感でのモンゴルのゆがんだイメージを繰り返し訂正するところや帝国などの言葉の定義の部分など少し気になるところもありはする。世界の広がりを作ったモンゴル帝国への注目をより期待したい。2016/03/20

Yoshihiro Yamamoto

1
A モンゴル研究の第一人者である著者が、あちこちに掲載した記事を大幅加筆修正したものなので、めちゃくちゃ面白い所(1章1・2節)と、退屈なところの両極端。退屈なところを大きく割り引いても出会ってよかった、世界観の広がる良書。我々はモンゴル(元)を中国史の立場から見てしまいがちで「野蛮な国・侵略者」のイメージだが、著者は、「世界秩序をつくった帝国」として、ローマ帝国と並ぶものと評価。スキタイ→匈奴→数多の遊牧国家(フン族も含まれる)→突厥(テュルク:史上初のユーラシア帝国)→モンゴル帝国→ティムール帝国等。2016/01/25

YuYi

0
台湾版の中訳はあまり良くないと思います。読む時、ちょっと読みにくいです。2017/03/09

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