出版社内容情報
頑迷固陋な男社会で道なき道を切り拓いてきた女性科学者のパイオニア、素顔は姉御肌で仕切り屋。日経新聞連載時に大反響を集めた「私の履歴書」を換骨奪胎し、大幅加筆。明るくテンポのいい大阪弁で綴る異色の自伝。
内容説明
「研究も家庭も」両方取ると決め、どんな関門にも勇猛果敢に、あっけらかんと挑んできた。日本を代表する女性物理学者が、波乱万丈の75年の半生を、底ぬけに明るい大阪弁で綴る痛快無比の自伝!
目次
第1章 長い前口上
第2章 原点の街
第3章 物理への道
第4章 出世作
第5章 仕切り屋
第6章 金字塔
第7章 納めの口上
著者等紹介
米沢富美子[ヨネザワフミコ]
1938年大阪府生まれ。京都大学理学部卒業、同大大学院理学研究科修了、理学博士。京大基礎物理学研究所助教授、慶應義塾大学教授などを経て、慶大名誉教授。専攻は理論物理学。不規則系の理論研究の第一人者。96年から97年まで日本物理学会会長。2005年ロレアル‐ユネスコ女性科学賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
28
’12年初出。戦後は、食糧のみでなく、紙も燃料も医療も欠乏していた。燃料の不足で、風呂はおろか、日々の煮炊きにも事欠く。食糧不足は極度に深刻で、誰もがひもじかった(57頁)。数学や理科の授業が好きだった、当時の理ケ女のようだ(69頁~)。大阪府トップの座にも躍り出ているほどの学力の高さといえる(72頁)。京大理学部も必然であったろう(78頁)。湯川秀樹先生とも面談された経験があるという(84頁)。かけがえのない教育の場といえる。2015/01/13
HiroNuma7
23
図書館本。以前から気になっていた本。女性で初めて日本物理学会会長になった女性物理学者の痛快な自伝。波乱万丈過ぎて、現実感がないなぁ(笑)数学に強かった母親の才能を受け継ぎ、小学生の時点でIQ175という数値を叩き出す著者。幼少の頃から数学に夢中になり、学生時代に理系を目指し物理の世界に進んでいきます。その後、物理学者として国際的に次々と実績を残していきます。仕事以外でも戦争、育児、病気等、苦境が訪れますが、それを跳ねのける彼女の強さは眩しいです。タイトルが彼女の生き様を表しているように思えました。2016/11/24
和草(にこぐさ)
20
女性科学者の米沢さん。知ったのは訃報でした。子育て、科学者として様々なことをこなし、同じ女性として頭が下がります。2019/03/27
なゆ
18
「二人で紡いだ物語」では語られなかった、子供の頃や家族の話にも触れています。能力は遺伝されるのだなぁ、と思わされました。同じことが我が身に降りかかってきたら絶望したり悲観してあれこれ考えてしまいそうなのに、起こったことに対処したらあとはあれこれ考えず淡々とやり過ごす姿に、改めて感銘を受けました。生まれ変わってもまた……と思える人生を歩まれた努力と運命が素晴らしいと思います。2016/08/29
今夜は眠れない
15
なんとも壮絶な生き方に一気読み。すごい‼️素敵!こんな女性がいらしゃる事に感動‼️励まされる。2015/05/18