内容説明
家づくりは、「非常識」がいい。普通の発想では、都心に理想の一戸建ては実現しない。建て主の意欲とパワー、建築家のスピリットとアイデアがいざなう、小さな家の大きな冒険記。
目次
第1部 ラスベガスの家(作品名=ナチュラルエリップス)(土地買っちゃった結婚;乱高下する建築費;逃げ出す都市銀行;沖縄ネットワーク;建築界の芥川賞;秘密基地での会話)
第2部 子育て横町の家(作品名=ロカーリ・パーリ)(お金を巡る「ミクロの闘い」;年功序列の廃止)
第3部 安藤忠雄に捧げる家(作品名=セブン)(九坪の駐車場;主役はイームズの椅子;負けないコンクリート;部屋の限界面積)
第4部 狭小住宅の造家学(夢を謙虚に語るべし;キーワード五〇)
著者等紹介
細野透[ホソノトオル]
住宅・建築ジャーナリスト。住宅と建築をテーマに幅広い取材活動を続けており、これまでに取材した建築専門家、住宅専門家は3500人を超える。東京大学大学院博士課程修了(建築学専攻)、日経BP社に勤務。『日経アーキテクチュア』編集長、『日経コンストラクション』編集長などを経て、2002年から日経BP社・主任編集委員。工学博士、一級建築士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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きんぎょっち
3
住人無視で「自分の作品」を作りたがる建築家は、この本には登場しない。狭小住宅というより極小住宅と言いたくなるような坪数の住宅に挑戦する本作の建築家たちは、才能だけでなく人間的にもみな魅力的だ。狭小住宅のキーは階段。階段をワープとして使うナチュラルエリップス、迷路のロカーリ・パーリ、ステージのセブン、どれも魅力的だが、自分が住むならロカーリ・パーリがいい。迷路好きだから(笑)。「優れた狭小住宅をつくろうとするとき、その最大の推進力となるのは、クライアントの強い意欲とパワー、建築家の熱いスピリットだ」に納得。2016/10/28
のぐしず
1
狭い土地に、いかにして、どんな家を建てるかの攻防が書かれた本。 依頼人の熱量も家に(建築家に?)反映されるんだなあ。 デザイナーズマンションは住心地イマイチ、という噂を聞いたこともあるけど、こういうのを読むと住んでみたくなる。購入は出来ないけど。2022/07/03
Tadashi_N
0
都心で狭小住宅を建てるのは、施主と建築家と工務店と資金のせめぎ合い。2012/09/26