内容説明
スイトン、鯨肉、即席ラーメン、バイオ野菜…戦後日本の食生活の歩みを、食べる側と作る側の両面から立体的に検証し、「食」とは何かをもう一度問いかける。
目次
1章 飢えからの脱出
2章 食と農の高度成長
3章 経済大国化とひずみ
4章 多様化する食
5章 「飽食」を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dowalf
12
戦後の食糧難から脱しようと、当時の政府が試行錯誤するところから始まり、戦後農政改革、漁業や捕鯨の復興と衰退、外食産業の急成長、農産物の貿易自由化の流れ、これから農業をどのように見直していくべきなのかまでが、細かな用語や時代背景の説明とともに書かれていてとてもわかりやすかったです。終戦直後の農政改革が現代の農地運用問題に影を落としているとは…農政を考える上で、長期的視点というのは大切なんだと痛感しました。2015/03/03
かきたにたくま
3
面白い。餓えから飽食。種類の広がり。都度、出てくる様々な問題をどう解決していったかがざっくりと分かる。今は飽食が当たり前で、食べることが楽しむことになっている。そこには歴史があるわけで、何を選択して今になっているかを知るにもいい本。2017/03/20
おにぎりまる
2
戦時中から90年代前半まで、食と農のテーマから振り返った本。現在まで続いていたり、より深刻化(あるいは発展)している事柄も多く、非常に勉強になった。また、当時の新聞記事や文献による補足もあり、世相を表していて面白かった。2020/06/07
しま
1
農政全般を扱った本は多々あるが、食と絡めての本は珍しい。戦後の農業の歩みと庶民の食事が分かりやすく述べられている。脚注も同じページにあるので読みやすい。最初は400ページ近くあるのできついかなと思ったが、文章が柔らかく前提知識がなくても読み進めやすかった。今後農業の本を読んでいく上での基礎的な知識を得られたと思う。2018/09/08
バッシー
0
即席めん、米、野菜、外食、制度から栽培まで幅が広くて参考になる。毎日食べているだけに小麦の話はなかなか驚き。リアルな陰謀を感じる。2023/03/06