内容説明
合併による生き残りを模索する大手銀行。危機に瀕する関西系地銀。住専、信組の経営破綻。軋む金融システムの実態を鋭く抉る。
目次
第1部 三菱・東銀合併の衝撃(ドキュメント三月二十八日;合併の舞台裏;三菱銀行の執念;東京銀行の模索 ほか)
第2部 しのび寄る金融破綻の足音(東京共同銀行の蹉跌;綱渡りの木津・コスモ信組の再建;関西系地銀再建の行方;独立系ノンバンクと住専問題 ほか)
感想・レビュー
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アキ
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バブル崩壊後、金融機関が淘汰される混沌とした時代に誕生したスーパーバンク、三菱東京銀行。当時不良債権処理に苦しむ金融機関の中で、比較的損失の少ない優良行で、かつ国内に強い三菱、海外に強い東銀との合併は相互補完の関係にあり、理想的な合併だった。その後、大手都市銀行が合併の流れに向けて動き出したが、規模拡大を図るだけで、互いの社風も相容れずに、システムトラブルを多発する銀行もあり、上手く行ったとは言い難い。現在、MUFGが国内トップバンクに君臨している理由は、この2行の合併があったからだと言えるだろう。2020/03/05