内容説明
現代の金融市場に欠かせない仕組みとなった証券化について、専門用語を極力使わず、平易に解説。一般常識として証券化の知識を身につけたい人にも最適の書。証券化の仕組みが生み出す様々な利点をわかりやすく整理。保険やデリバティブとの関係など、金融商品の中での位置づけも明快に。サブプライム・ローン問題の温床になったCDOをはじめ、証券化の何が問題だったのかについても解説。
目次
1 証券化とは
2 リスクをコントロールする手段―証券化
3 リスクはどのように取引されるか
4 証券化の新たな展開―リスクの証券化
5 現代の金融活動と証券化の意義
6 証券化の拡大で明らかになった問題点
著者等紹介
大橋和彦[オオハシカズヒコ]
1963年生まれ。86年一橋大学経済学部卒。88年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、経済学修士取得。93年MIT(マサチューセッツ工科大学)スローン経営大学院博士課程修了、経営学(ファイナンス)Ph.D.取得。現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(金融戦略部門)教授、日本ファイナンス学会会長(2008~2010年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
71
むかしリーマンショック後に読んだ本ですが少し勉強しなおさなければならないので読み直しました。他の類書に比べてわかりやすくコンパクトにまとまっています。証券化という業務は今の金融情勢からすると、今後、金融業務においてはかなり発展していく分野と思われるので重要な役割を果たしていくことになると思っています。2018/04/18
baboocon
10
タイトルそのまま、証券化の基本的な知識が得られる本。RMBSとかCDOとかCDSといった略語もわかってみれば基本的な概念はそれほど恐れるものではないな、と感じた。また資産のキャッシュフローを金融商品化するのみならず、リスクの証券化やデリバティブについてもその取引の本質的な部分をわかりやすく説明されている。2011/02/13
星空の挑戦者
5
2000年当時、リスクを証券化、細分化により大口マネーが入って、払うことが難しい人々のローンまでも債権として成立する。そんな一見画期的なシステムの詳細について書かれた本。確かに資本主義の最先端の形であるが、証券を格付けする連中が普段から嘘つきだったため数年後焦げ付くわけですが、そこまで誰も想定できてなかったということですか。天候デリバティブなんてあるんですね。自然現象まで博打の対象になります。2011/05/12
Z
2
わかりやすいというより簡潔には、書かれ、こんなことで、経済動いているのかということがわかって良かった。これだけでは何も広がらないので、もっとレベルの高い類書も読んでみたい。2014/10/11
ハンギ
2
証券化について興味があったので見てみた。やや証券を作る側の企業側のメリットを重点に説明している気がした。もうちょっと買い手側の方にどんなメリットがあるのか説明していただけると有り難い。債権の束をプールにして、そこから証券を作り出すという錬金術には脱帽です。基本、キャッシュを生み出す物であればなんでも証券化できる、という所をどう考えればいいのか。いいように解釈すれば、教育機関の奨学金なども証券化すれば助かる人もいるかもしれない。その反面、バブルを防ぐにはどうしたらいいのか、よく見えてこなかった。2012/10/23