内容説明
日本を代表する15人の経済学者たちが、お金の性質や経済の中で果たす役割をやさしく解説します。歴史や、経済理論、現実のトピックを織り交ぜ、お金のもつ多様な側面を1冊にまとめました。大学の金融論やマクロ経済学のサブテキストとしても好適です。
目次
第1部 マネーの誕生と経済発展(貨幣の誕生―分業と交換の始まり;利子の誕生―お金を事業に向かわせる呼び水;銀行の誕生―お金の融通がきく経済に ほか)
第2部 マネーのコントロールをめぐる闘い(貨幣の本質に迫る手がかり;貨幣と物価―お金の量と人々の期待;信用創造のしくみ―お金を回すメカニズム ほか)
第3部 進化するマネー(金融サービスの進化―業態でなく機能をみる時代に;電子マネーの未来―普及の突破口は何か;決済の技術革新―広がる「お金のようなもの」の役割 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
これは日経新聞の経済教室のページの「やさしい経済学」に半年(2003年)にわたって連載されたものをまとめたものです。当時としてはバリバリの経済学者に主に金融論がらみの話を書いてもらっていたようです。15人の経済学者の話でわかりやすく最後に参考文献も掲載されています。お金の歴史的なものから最後は金融工学的なものまでがあります。2016/02/17
高橋 橘苑
19
経済学の基礎学習のつもりで読んでいたが、中身はなかなかに充実していた。15章の広汎な分野を、著名な経済学者がそれぞれ担当している。初心者の自分でも知っている人が多く、教科書的な役割はしっかり果している。中でも、加藤寛氏担当の14章、「地域通貨の可能性ー『地方にお金を』逆転の発想」は秀逸。減価してゆく「スタンプ貨幣」の利用はデフレ脱出に効果が有りそうだ。又、ドル支配に対抗という発想も魅力的だ。「ケインズのもっとも危惧した一国の通貨を基軸通貨とすることによる、世界的な不安定性を抑える役割」にも期待したくなる。2016/03/02
Yggdrasill
2
執筆者が大御所揃いで、とても参考になりました。経済は日日刻刻と変化しておりますので、古いデータは参考にならないのですが、本書は2006年と割と新しく、知識も陳腐化していませんので、おススメです。2010/02/18
ペールエール
1
色んな学者がマネー、金融について論じているが超わかりやすい 2011/11/29
itchy1976
1
本書は、マネー(金融)をめぐる歴史、理論、進化するマネー(金融)について記載してあります。本書を読んでいくと、図がほとんどないのでわかりづらいところがあるとおもいます。それでも、大学の金融論の副読本に役に立つかもしれません。章末には参考文献が記載されています。http://blog.goo.ne.jp/itchy1976/e/d38e233b6a97c0c371b5db4892f32ab32007/02/13