内容説明
一度も戦闘しなかった部隊、一斉に自沈した艦隊、陸戦に従事した空軍の地上部隊、鹵獲兵器で編成されたポーランド国内軍戦車部隊、ドイツ側に立って戦った枢軸軍部隊、ドイツ装甲列車部隊の戦闘様相など。歴史の表舞台には登場しない小規模戦隊や知られざる部隊にスポットを当てた異色の戦闘記録。
目次
第1部(エーゲ海の幽餓な日々―突撃師団“ロードス”;残されて島った人々―第213重戦車大隊;王国のイージス―ハンガリー第7突撃砲大隊;ブラックシーダブルクロス―スロヴァキア快速師団;沈没の艦隊―フランス艦隊)
第2部(空軍地上師団ついに勝つ―第16空軍地上師団;ドイツ鎮圧部隊は何語で話し合ったか?―ワルシャワ防衛軍;収容所のユダヤ人はマグダラのマリアを見たか?―ワルシャワ蜂起の装甲車両;魔女も驚くハルツの最貧戦線―第11軍;戦露は続くよどこまでも―第61鉄道装甲列車)
著者等紹介
高橋慶史[タカハシヨシフミ]
1956年岩手県盛岡市生まれ。慶応義塾大学工学部電気工学科卒業後、ベルリン工科大学エネルギー工学科へ留学。修了後の1981年から電力会社に勤務。妻と長男、次男の4人家族(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Panzer Leader
18
前作と同じく有名どころでない戦闘団(カンプフグルッペ)等の劣悪な装備・状況下での絶望的な戦いを描いている。今巻は島々に駐屯した部隊、ハンガリー・スロヴァキアの部隊、悲劇的最後を迎えたフランス艦隊、必敗の空軍地上師団、ワルシャワ蜂起&ルール包囲網外での絶望的な戦い等これまで以上にマイナー部隊の最後が豊富な資料写真・図版を駆使してビジュアル的にも見やすく描かれている。 2016/09/04
ロードスの騎士
1
明らかな誤植が以前よりも減っており、その点も評価できる。(それでもいくつかはある)チャンネル諸島守備隊や、ワルシャワ蜂起など、一般的なライターは注目しない戦いが主体で、資料性は高く、また、面白く読める2013/01/21
Tokyo F91
1
「労作」という言葉がぴったりくる本。第二次大戦末期の、後方部隊をごちゃまぜにしてでっちあげた部隊の、ある一日の苦闘についてここまで詳しく調べ上げた本があろうか。エーゲ海やチャネル諸島で島を守りつつ朽ち果てた部隊の悲哀が印象的。2012/12/02
YS-56
1
7年振りの新刊。いつもながら印象的な写真が多くて、視覚的にも満足です。今回はフランス艦隊や装甲列車なども取り上げられていて、充実の1冊となっていますね。もちろん、お約束の最貧部隊についても、1944年8月のワルシャワ蜂起や、1945年4月西部戦線の第11軍などが。その絶望的な状況下で、困難な戦いを続けた全ての兵士たちに敬意を。そして、その歴史は忘れないようにしていきたいものです。『Ⅳ』についても、良い本になる事を期待して待つことにします。2012/11/12