雪中の奇跡

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雪中の奇跡

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19X14cm
  • 商品コード 9784499205368
  • NDC分類 238.92
  • Cコード C0049

出版社内容情報

1939年11月、ソ連邦は人口370万の小国フィンランドへの攻撃を開始。侵入したソ連軍は戦車、航空機多数を擁し、その延べ兵力は150万にも達した。旧式な砲兵器材と第一次大戦当時の装備しかない歩兵からなるフィンランド軍の抵抗が潰えるのは時間の問題であろうと思われたが1ヶ月後、林道に連なるおびただしい数の凍死体と戦車の残骸が世界中の新聞紙面を飾った。雪に閉ざされた林道でいったい何が起こったのだろうか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

16
61あまり知られていないソ連とフィンランドの戦争、前に狙撃手のシモヘイヘの本を読んだ時はコッラの戦いが中心だったので全体の戦いを知れて良かったです。フィンランドを見下していたソ連は予想外のフィンランド軍のしぶとさと冬の寒さと雪に阻まれ大損害を出し僅かな土地を割譲させる事で満足しなければならなかった。兵力・武器・兵器が量と質ともに劣っていたフィンランド軍は雪と地の理を生かし反撃し撃退に成功する。フィンランドすげぇ2021/04/24

sasha

9
第二次世界大戦のどくさくに紛れて進行して来たソ連に対し、人員も装備も不足していたフィンランドが挑んだ冬戦争の模様が詳細に描かれている。日本人の著者の手で冬戦争が綿密に調べられているの驚く。ソ連も舐め切ってたんだろうな、「俺ら絶対的に数で勝っているし、負ける気しないわ」って。結局は領土の一部を失ってフィンランドは和平に合意するのだが、独立だけは保つことが出来た。バルト三国との違いが、挙国一致でソ連に刃向った結果なのだろうな。贅沢を言えば政治的な動きが並行して描かれているとよかった。2018/06/01

シャル

7
1939年、小国フィンランドに突如向けられたソ連の侵攻の牙。冬戦争と呼ばれる第一次ソ・芬戦争を、フィンランド側から描いた一冊。準備不足、練度不足のまま攻撃を繰り返すソ連軍と、それを退け、堪えながらも、独立を守るべく終わりの見えない戦い続けるフィンランド軍。大国間の思惑によって支援は殆どなく、それでも地の利と意志でソ連軍を退け続ける。それはただ奇跡ではなく、それぞれの奮闘とソ連の慢心が招いたものでもある。そして物量に押されて迎える敗北の時は、戦争の終わらせ方も考えさせられる。まだ戦えるからこそ手を打つのだ。2014/07/19

古本虫がさまよう

5
第二次大戦中のソ連侵攻と戦ったフィンランドの勇戦を描いたもの。33年前にこの本を読んだ時は……。フィンランドのような壮絶な体験を、日本が味わうこともあるかもしれない、と思っていた。そのあと、ソ連が崩壊しても、中共などが北東アジアには存立しているから、その思いは不変のままだ。続編の『流血の夏』(大日本絵画)も必読の一冊。力と力が拮抗しないと平和は崩れることが多い。日米安保体制だけで中共北朝鮮、さらにはロシアと対抗できるかどうかようく考える必要があるだろう。2022/05/14

May

4
ソフィン戦本3冊目かな。この戦いが斯界において話題になるようになったのは、本書がきっかけではなかったろうか。埋もれた歴史を知らしめた功績は大だと思う。今とは情報収集の方法等が違う時代だし、独の介入を極力避けようとしたフィンランドだからかもしれないが、ソ連軍の冬季戦への準備不足等がもたらした影響について、独がまったく学ぶことができなかった理由が理解できない。独ソ開戦のほんの少し前の、素晴らしい先例(戦例)ではないですか。それにしても、地図が欲しい。読んでもどこのことなのか全く分からんです。写真は豊富ですけど2018/03/16

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