内容説明
腐敗した貴族制度を一掃し、最愛の姉を皇帝から取り戻す―ラインハルトとその親友キルヒアイスは、銀河帝国の現王朝打倒を誓い合った。二人に課される試練の日日を綴る「黄金の翼」他、自由惑星同盟の“古き良き時代”を飾った英雄たちの活躍を描く「ダゴン星域会戦記」など、多彩な魅力に溢れる五短篇を収める。著者が創作の舞台裏を明かす、貴重なロングインタビューを併録。
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。78年「緑の草原に…」で幻影城新人賞受賞。88年「銀河英雄伝説」で第19回星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
49
銀英伝●十年ぶり読み直しすべて終了。外伝5巻はもしかすると読んでないかも。1話は同盟初期の話。それ以外はラインハルト&キルヒアイスが若いころに相当苦労している話がいくつか。後半はインタビュー。「黄金の翼」「朝の夢、夜の歌」「汚名」といった話が単体存在しているので、「銀河英雄伝説列伝」に繋がっていたりするのが銀英伝の面白さであったりする。もう皆大好き銀英伝だね。銀英伝は端的に戦略と戦術が明確に描かれていたたなぁ。そして主人公だろうがモブだろうがバンバン人が死ぬ「皆殺しの田中」なんだよなぁ。~続く~2022/05/27
流之助
41
短編プラス作者ロングインタビュー。初々しいラインハルト&キルヒアイスコンビの活躍もいいけれど、やはり「汚名」が印象に残る。直情的なラインハルトに付随するような存在として他人の記憶に残ったかもしれないキルヒアイスだが、彼はラインハルト以上に人間らしく深みを持ったキャラクターだということが分かる作品ではないか。アンネローゼへの想いとラインハルトへの思いの差もどことなく感じられ、彼が意識してキルヒアイスとなったと書かれている部分にはいろいろと考えずにはいられなかった。2018/02/06
hrmt
33
外伝5冊を読了し、正伝ではすでに亡くなってしまった人たちの活き活きとした姿に触れ、過去の経緯を知ったことで本編の繋がりに深みを増したりして嬉しかった。けれどその先に待つ未来を知っているからこそ余計に悲しかったりもする。そしてまた正伝を一から読み返したくなるという無限ループに陥りそうな自分に笑ってしまう(^_^;) 正伝.外伝の再読欲求はきっと近いうちにはたされるだろうけど、登場人物たちとの再会を期待して次は『列伝』なるものへ。2023/02/01
シタン
33
突然読みたくなって読んだ。これでやっと全部読んだことになるかな。 帝国と同盟の初接触を記す「ダゴン星域会戦記」は本伝的雰囲気。時代が違っても同盟的空気の描写はさすが。残りは主に帝国側、ラインハルトとキルヒアイスの外伝で、キルヒアイスの活躍が楽しめる。さらに著者インタビューを収録。どう銀英伝を作ったかの秘伝を読むと銀英伝の見方が変わる。このインタビューに立脚すれば『銀河英雄伝説研究序説』とか『銀英伝にまなぶ政治学』などとだいぶ異なる解釈が可能。どうでもいいけど、田中さんはビッテンフェルト好きすぎでしょ。笑2020/03/28
マホカンタ
31
ついに外伝もこれで最終巻。短編5話の内、1話のみが同盟の古きよき時代の英雄譚で残り4話が幼年学校を出て数年間のラインハルトとキルヒアイスの物語。ただ、ひたすらミューゼル姉弟のためだけに自分の存在意義を見出だしたキルヒアイス。本編で語りきることのできなかった二人の物語を外伝で読む度に、その後二人に訪れる早すぎる永遠の別れを知っている身としては切なさとやりきれなさでいっぱいになる。約束、守らなかったじゃないかよ、キルヒアイス…。2021/02/04