内容説明
貧民街を逃げ出した美しく獰猛な少女。人工知能生命体にとりつかれた老博士は、少女の人格を雛形に新しいロボットをつくろうと企てる。予想外の成り行きでたどりついたシベリアの地で、少女はフラクタルに魅せられた女性分子生物学者に出会った。必然か偶然か、彼女たちは魅かれ合い、恋に落ち、分かちがたく結びつく。だが幸せもつかの間、二人を思いがけない運命がおそった。
著者等紹介
河野佐知[コウノサチ]
1970年生まれ。お茶の水女子大学文学部卒業。出版社勤務の後フリーランスで翻訳・編集・校正にたずさわる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
5
05年の本体920円の初版を読んだ。カバーはイラストチックな主人公マグノリアとシドで、刊行時にはこのカバーと微妙な邦題のせいで手の出なかった一冊。今般読んでみて、サスペンスフルな群像劇に驚いた。換言すると、別にSFでなくともいいのではないか(早川のNVに相当)とも思える。冒頭の疑似ハードボイルドは喰い付きが良く、中盤少しの中だるみを越えれば終盤に向かって収束する。バイオテクは掘り下げると一層面白そうなのだが、Drラウールの人物像や研究の描写が雑で、惜しいと感じる。タムカリ、どうなるのかなぁ。★★★★☆☆2016/06/21
もっち
1
再読 今月の百合姫でちらっとタイトルが出ていたので スラム出身のヒロイン・マグノリアや人工生命のタムカリなど、キャラクターが魅力的 マッドサイエンティストのシドさん、自分の身体を実験台にしておまけにハザードまで引き起こすとか相当業が深い 一応の元凶であるラウール博士は最初の失敗を乗り越えられず、金は稼いだけれどもう色々と行き詰まっちゃってるし、最後も詭弁を弄してフェードアウトしてしまう投げ出しっぷり マグノリアとシドの百合カップルの描き方はとてもいいんだけど、SFとしてみると未回収な部分が多すぎるかなー2010/11/22
ぷにょんぺん・主砲
0
ちゃんと伏線回収してグッドエンドでした。2015/01/18
vurnciss
0
ちょっと期待しすぎたかな。終わり方はあれで良かったと思うけど、それに至るまでの過程が退屈だった。2015/01/28
うえだ
0
面白いけど、結局あれはどうなったんだろうというモヤモヤは残る。登場する女性がみなたくましくて、彼女らの生き方を見ていると気持ちが良い。 2015/01/27