内容説明
神経接続による遠隔歩兵戦闘体での戦いが日常化した近未来。連合国は中米の紛争に対し、十人の精神が繁がりあって操作するソルジャーボーイ小隊を投入し、絶大な戦果をあげていた。一方このとき人類は、木星の軌道上に想像を絶する規模の粒子加速機を建造、宇宙の始まりを再現する実験に乗り出していた…。名作『終わりなき戦い』から20年余年、巨匠が新たな角度から挑んだ傑作!ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
19
原料があればなんでも創り出せるナノ鍛造機という魔法を手に入れながら、近未来の世界では悲惨な戦争が続いていた。ジュリアンは、精神移入により相互に繋がった10人の兵士が操るロボット小隊の軍曹。軍務の合間には、物理学を研究し、木星軌道上の超巨大粒子加速器による宇宙規模の異変を予想したことから、人類変革の嵐の中心に巻き込まれる。精神移入がもたらす平和のゆくへは… イーロン・マスクが侵襲型での脳とコンピュータの接続を研究する企業を立ち上げた今、本書想定も夢ではなくなるのか?2017/07/29
ナカユ〜、
6
追いつけなかったなぁw、2014/08/18
イロモノ
6
「終わりなき戦い」を踏まえて読むと、筆者の心境(あるいはアメリカの世相)の変化が感じられて面白い。 「終わりなき戦い」は、当時(1974年)の厭戦気分、もっと言えば「虚無感」を紙の上に写したような作品で、何百年も続く戦争を淡々と眺めてるイメージだったが、本作の主人公は、非対称戦争で相手を虐殺することの無意味さに疲れ、ひどい苦悩をのりこえた後、みずから戦争を終結させるための行動に乗り出す。 結末は主人公にとってある意味苦いものではあるけれど、そこには一抹の救いがある。2013/03/16
がんぞ
6
世界政府が実現し国家間の「戦争」が無くなっても、「分配の不公平」あるいは「宗教的正義感」による「内乱」が無くなる筈もない。ヒトの全歴史は「自分の言い分を通すために、他人を殺す」という普遍的行動。軍人はカッコいいとされ。さて(無人機爆撃のように)遠隔操作ロボットで鎮圧戦闘行動がなされ、ハイテクを持たぬ民族主義勢力=ングミ軍とのあいだに、もう20年も抗争は続いている。悲惨な状況を描く戦争SFが前半。後半は「完全なシンパシーが実現し他人を傷つけなくなれば」世界は平和になる?(少数の非感化者はある)ユートピアSF2013/02/27
ろびん
5
私的には前半までの方が面白かったな……。2019/09/12