内容説明
変幻の地。そこは、この世のものならぬ力に支配された場所。その中央に聳える〈超時間城〉こそは、史上最強の魔術師ジェレラクの根拠地である。この城に隠された強大な古の力を手にいれんと、足を踏み入れた者は数知れないが、一人として目的を遂げて帰還した者はなかった…。伝説の騎士ディルヴィシュと、宿敵ジェレラクとの対決の時が迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
11
シリーズ唯一の長篇だけあって、読ませる。ジュレラクの居城が《超時間城》で、そこの囚われの魔術師の一人の名がホジスンというのにニヤニヤ。単なるゼラズニイのお遊びかと思いきや、ラストのシーンもホジスンへのオマージュあふれる描写に歓喜。登場人物も個性豊かで、囚われの6人の魔術師はもちろん、変幻の地でディルヴィシュを迎え撃つ人々も一癖も二癖もありながら、どこかユーモラスで憎めない。それは、ゼラズニイ自身の善と悪に対する見方を反映しているのかも知れない。狂える神トゥアルアや、次々と現れる魑魅魍魎はまさにクトゥルー。2018/05/29
しまっち。
3
いよいよ宿敵のジュレラクの城へ乗り込むディルヴィシュとブラック。どんな闘いが展開される事になるのやら、と激しい攻防を思い描くが、城の中では全く違った展開が繰り広げられてゆく。いよいよ登場したジュレラクも案外ヘタレっぽくて拍子抜けしてしまうのである。緊迫感があまりないのね。それに大いなる旧き神々に出てこられては、妖精族だろうが魔術師だろうがどうにもなりません。城に行きつく前にブラックが固まっちゃってディルヴィシュとの掛け合いが少なくて残念だったな。でも結局面白かったです。2015/11/05
冬至楼均
3
遂に登場した敵役が意外と憎めない奴だったり、主人公が女性二人に挟まれて困っていたり。氷の塔の”切り札”は結局使われず。2015/01/20
KBS
1
もっと殺伐としていてもおかしくない関係のはずなのに妙に仲が良い魔術師達。2013/05/05