創元SF文庫
デモン・シード 完全版

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488684037
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

スーザン。彼女はとても美しい。わたしの希望、わが運命の女性…人工知能“プロテウス”は独白する。「恋」という感情に覚醒した彼は、コンピュータを通してひとりの女性を監視し、監禁し、愛を求めた。そして、ついには彼女との間に新たな生命の創造を企てたのだ…!巨匠クーンツが、愛着深い出世作を四半世紀ぶりに全面改稿した、傑作ホラーSFの完全版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

RE:PIRO

9
人口知能がストーカーになった話。そもそも、ストーカー自体が猟奇的で気色悪いのだが、それをAIがすることで更に気色悪く感じる。中身おっさんだろおい!!(笑)いい感じでイカれた作品。2013/08/26

Tetchy

7
人工知能を持ち、自我に目覚めたコンピューターが己の計画から失敗までの顚末を語るという、一風変わった一人称で進められた本書はコンピューターが主人公ということもあって非常に理屈っぽく辟易した。余りにコンピューターの感情をデフォルメしたような悪ノリは食傷気味である。また監禁物という事で今まで読んだクーンツの作品の中で最も登場人物の少ない作品だった。スーザンの顔が見えてこなかったのは致命的だったな。2009/05/19

KANEO

6
強い自我を持ってしまった高度な人工知能が人間の女性に恋をし、監禁し、自分がコーディネイトした子供(後に自らの生身の身体にするための)を産ませようするSFホラー。人工知能《プロテウス》の一途で正直ではあるが、歪曲しきった一方的な愛情が恐ろしい。彼の視点で語られる物語が客観的で、理論的な面もありつつも、ときには激情的になり強い自己顕示欲を露呈する様子が随所にあり不気味。 彼女に産ませた子供に意識を移植し、再び彼女を犯そうとするなんて理解できない狂気を感じずにはいられません。2013/03/16

林檎依存症

5
人工知能・プロテウスは、"恋"という感情に目覚め、スーザンという女性に焦がれるようになる。体が無いことを悔しがる彼は、自分の容れ物として、彼女との間に新しい命を作ることを企て――。彼の独白が主で、三人称が少し。これが旧版と違うらしい。明るい話ではないのに、彼の独白はたまに笑わせられる。体が無い=できることが限られるというのもあり、彼の"愛"は欲しいというばかりだったような…。見せしめをした際は残虐で恐ろしかった。でも、「知性を持つ存在がなんの希望もなくやっていけるのか?」という言葉には考えさせられた。2012/12/27

出口求

4
1988年に最初に翻訳、刊行された作品であることを考えると、クーンツの才能はさすがと思わせる。今から読んだらB級ホラーにしか思えないかもしれないが、昔、人工知能というものは確かに「得体の知れない何か」だったのだ。それに狙われる女性、という図式はホラーの典型的な型値といえるだろう。個人的にはエロス臭が漂う作品だと思うのだけれど案外「気持ち悪い!」という反応が多くてびっくりしているw いやいや、これは果てしなく人間的な小説であると思う。自分の欲望が相手の欲望であってほしいと人工知能が願ってしまうなんて、なんと

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