内容説明
宇宙をさすらう渡り者のアール・デュマレストは、立ち寄った惑星で暴徒に追われる美女、カリーンを救う。彼女は透視能力を持っていたために魔女と呼ばれ、迫害を受けたのだ。かつて愛した少女の面影をカリーンに見いだし動揺するデュマレスト。彼女の故郷の惑星・ソリスへと向かうべく旅を続けるが、未来を透視したカリーンは、二人の乗った宇宙船が爆発することを予見した…。
著者等紹介
佐治弓子[サジユミコ]
1938年生まれ。京都薬科大学生物薬学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
16
デュマレスト・サーガ第4巻。この回で再びデュマレストは恋に落ちるのですが、その結果は当然ながら破局。まァそれはいいとして、表題の惑星ソリスに到着したのは全13章の12章目。邦題作るのに問題はなかったの?(笑) 一読して謎に思うのは、デュマレストの性格付け。途中「なぜだ?おれたちに何の義理がある?」とニヒルなセリフを洩らすのですが、見たこともない少女を命がけで救う冒頭のシーンから始まって関係ない人の人助けやら仲間を指揮して危険な猛獣狩りをするとか、全然ニヒルで孤高の男じゃない。なんだろね。(笑)2022/10/17
kagetrasama-aoi(葵・橘)
2
デュマレスト・サーガの第4巻。翻訳者の問題は脇に置くことにします(涙)。何か深淵な理由があるんでしょう……。この巻のヒロイン、カリーンはデライと並ぶ出色の女性。そして、アールとサイクランの対立をこれから深めていく”共生体”に深く関わっていますよね。題名とは異なり殆どの舞台は惑星クロン、ここでのザードル狩りはアールの魅力が存分に発揮されていて、凄く好きなエピソードの一つです。宇宙友愛教会の本部が惑星ホープにあることが語られます。初めて読んだ時、ホープが地球かも……?なんて思ったこと思い出しました。2016/09/28
yos
1
アール・デュマレストは勇敢だ。可能性がわずかしかなくても、それに賭け、素早く行動する。無駄に逡巡しない。ヒロインのカリーンと共に、大爆発を起こす宇宙船から脱出できたのは、彼の勇敢な決断のおかげである。また、その勇敢な戦いぶりは、物語終盤、惑星クロンに棲む怪獣ザードルを狩り出すシーンで存分に発揮される。デュマレストは、必要とあらば、リーダーとして、ひとくせもふたくせもある狩人達を指揮し、統制のとれた集団として従わせることもできる。最小のリスクで最大の成果を挙げる。アール・デュマレストは頭のいい男でもあるのだ2006/03/25